今回はビリー・グラハム師の書かれた「人生の最終章」(Nearing Home: Life’s Final Destination)という文章を2回にわたって拙訳してみます。前回からの続きです。
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老年における真の喜びは、主イエス様にお頼りできることです。私たちが弱いときに力を与えてくださるのがイエス様です。「なぜなら、私が弱いときにこそ、私は強いからです」(Ⅱコリント12:10)。自分の家をきれいにしておくことは大切ですが、私たちの思いと行いの中心に神様に関する事柄を置くことを忘れてはなりません。
預言者ハガイの胸の内にあったことはこのことです。ハガイは70歳くらいの時に旧約聖書の中で2番目に短い書を著しました。ハガイはバビロン捕囚の後に、エルサレムに主の宮を建てることを主から促されました。
それで、彼は神の宮が故郷エルサレムで廃墟となっている事実を指摘して、神の民にアピールしました。「あなたがたの現状をよく考えよ。あなたがたは、多くの種を蒔いたが少ししか取り入れず、・・・それは、廃墟となったわたしの宮のためだ。あなたがたがみな、自分の家のために走り回っていたからだ」(ハガイ1:5~6、9)。
この短いハガイの書から強く示されることは、ハガイの非難ばかりでなく励ましの言葉です。ハガイは「強くあれ。・・・わたし(神)があなたがたとともにいるからだ」(ハガイ2:4)という希望を与えつつ、神様のことを大切にし、神の宮を建てるように神の民に働き掛けたのです。
私たちは私的なことで成功を収めているかもしれないけれど、もっと重要な霊的な事柄を犠牲にしているとしたら、人生の喜びや目的を失います。「知恵のある人は力強い。知識のある人は力を増す」(箴言24:5)と聖書は語っています。神の知恵の中に力はあります。そして、年齢にかかわりなく、それが与えられるのです。
あなたは、あなたを虜(とりこ)にするこの世の仕事だけに関心を持っておられますか。それとも、キリストと共に永遠のいのちに生きるという確信をもって、キリストをあなたの人生の中心に迎え入れていますか。そこにこそ、希望が現実のものとなります。
あなたの気力は減退するかもしれません。でも、キリストこそが、弱いときにあなたを引き上げ、強めてくださるお方です。信仰が弱まるとき、主があなたのためにしてくださったすべてのことを思い出して、あなたを立たせてくださるように祈りなさい。そして、強くありなさい。「わたしの霊があなたがたの間で働いている」(ハガイ2:5)のだから。
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