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上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開

2025年12月22日11時56分
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関連タグ:上智大学キリシタン
上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開+
上智大学キリシタン文庫の貴重資料展で、展示資料を見る来場者ら=8日、カトリック・イエズス会センター(東京都千代田区)で

上智大学キリシタン文庫は7、8の両日、同大四谷キャンパス(東京都千代田区)内にあるカトリック・イエズス会センターで貴重資料展を開催した。80年以上にわたり日本のキリシタン研究をけん引してきた同文庫だが、今回のように収蔵資料を一挙に公開するのは初めて。初公開のものも多く、貴重な資料を直接目にしようと、多くの人が足を運んだ。

展示されたのは、16世紀末から17世紀初頭にかけてイエズス会日本管区・準管区によって刊行された活字印刷書物群「キリシタン版」や、「コインブラ版」として知られるイエズス会日本書簡集、キリシタン大名で有名な大友宗麟や高山右近、黒田孝高(官兵衛)の書状など30点。

文書資料が中心だが、天正遣欧少年使節のローマ教皇グレオリウス13世との謁見を記念する銅製メダルや、グレゴリウス13世の銅版肖像画、天草伝来のマリア観音像、地図製作者アブラハム・オルテリウスによる世界初の市販日本地図「日本諸島図」なども展示された。

展示されたキリシタン版は、いずれも世界で10点しか現存が確認されていない「サカラメンタ提要」と「ぎやどぺかどる」の2点。

上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開
キリシタン版「サカラメンタ提要」(右)と「ぎやどぺかどる」(左)

1605年に長崎で刊行されたサカラメンタ提要は、日本の司教だったルイス・セルケイラが、当時の教会の状況に合わせて編さんした典礼書。グレゴリオ聖歌の楽譜が黒と赤の二色刷で印刷されているのが特徴的だ。もともとはスペインのイエズス会修道院にあったが、1934年に寄贈され、キリシタン文庫の象徴的存在となった。

ぎやどぺかどるは、16世紀の神学研究の第一人者であるルイス・デ・グラナダの代表作『罪人のための手引き』の抄訳本で、1599年に長崎で刊行された。イエズス会イタリア管区が所蔵していたものを日本管区が1996年に購入・所蔵し、キリシタン文庫に寄託された。

1570年にポルトガル中部の都市コインブラで刊行されたことから、「コインブラ版」と呼ばれるイエズス会日本書簡集は、フランシスコ・ザビエルをはじめ、在日イエズス会士が日本宣教開始直後の様子を記した書簡集。当時、欧州の人々が日本を理解する上で貴重な情報源となったという。現在世界で6点しか確認されておらず、キリシタン版と並び非常に貴重な資料となっている。

上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開
「コインブラ版」として知られるイエズス会日本書簡集

キリシタン大名らによる書状は、いずれもキリスト教信仰に直接関わる内容のものではないが、各大名の直筆署名(花押)入り。このうち、大友宗麟と黒田孝高のものは、今回初めて公開された。

天正遣欧少年使節の謁見記念メダルも初公開資料で、今年3月に発見されたばかりのもの。1632〜1633年の日本の殉教者120人を記した報告書も初公開資料として展示された。

上智大学キリシタン文庫が初の貴重資料展、キリシタン版や大友宗麟書状など30点を公開
左から、キリシタン大名として知られた黒田孝高、高山右近、大友宗麟の各書状

キリシタン文庫は、上智大学の教授だったヨハネス・ラウレス神父が、キリシタン研究の全国学会として現在も学術研究をけん引する「キリシタン文化研究会」の創立と併せて1939年に創設した。以来、国内外のキリシタン関係資料を積極的に収集しており、貴重資料約2500点、キリシタン関係の和書・洋書など一般蔵書約1万2500点を収蔵する。

貴重資料展は、12月にホームページを開設したのに併せ、特別企画として開催した。7日には、キリシタン文化研究会の年次大会が上智大学で開かれ、キリシタン文庫所長の川村信三氏(同大文学部史学科教授)と同職員の竹山瞬太氏がそれぞれ関連講演も行った。

今回は、資料保護のため温度や湿度、照明などを厳密に管理する必要があることや人員の関係で、開催期間は2日間のみだったが、来場者からは常設を求める声もあったという。川村氏は、現状では見通しはついていないものの、大学側と交渉するなどして、将来的には常設の展示などもできればと話した。

■ 上智大学キリシタン文庫のホームページ

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