フェイスブックの創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏(32)は、キリスト教に光を見いだし、興味を持ち始めているのだろうか?
ザッカーバーグ氏はこれまで、無神論者だとしていたが、昨年末にはそれを否定。そして先月には、米テキサス州の牧師らと会い、彼らの働きについて、また彼らがどのように人々に仕えているかについて話を聞いたという。
ザッカーバーグ氏は1月18日、自身のフェイスブックに、「変わりゆく世の中で、信徒の方々がより深い意味を見いだせるように働いている(テキサス州)ウェーコの牧師たちと会いました」と投稿。またこの面会が、「地域社会がどんなに重要であるか、そして私たち皆がどれほど、信頼できる何かを探しているかを理解する」助けになったと述べ、「私たちは異なる背景を持っているかもしれませんが、私たちは皆、自分自身より大きな何かの中に目的と確かさを見いだしたいのです」と続けた。
ウェーコにある聖アルバヌス教会(米国聖公会)の司祭であるアーロン・ジンマーマン牧師は、ザッカーバーグ氏と面会した牧師の1人だ。ジンマーマン氏は、米南部バプテスト連盟の公式ニュースサイト「バプテスト・プレス・グローバル」(英語)に、面会について知らされたとき、「本当にびっくり仰天でした」と語った。しかし、ジンマーマン氏がさらに驚いたのは、ザッカーバーグ氏が、スピーチをしに来たのではなく、質問をして、その答えを聞くために来たと告げた時だった。「面会時間の90パーセントは牧師が話していました。私はとても感動しました」と言う。
バプテスト・プレス・グローバルによると、ザッカーバーグ氏はこの日、テキサス州のウェーコとウェストの2つの都市で、宗教関係者や学校関係者、実業家らと面会した。ジンマーマン氏はウェーコでの面会に参加し、ウェストでの面会には、ウェスト第一バプテスト教会のジョン・クラウダー牧師が参加した。
クラウダー氏によると、ザッカーバーグ氏は、2013年にウェストで発生し、死者15人、負傷者300人以上を出した肥料工場爆発事故について質問。特に、教会が事故後の地域社会の復興で、どのような役割を担ったのかに興味を持っていたという。また、教派の異なる信徒たちがどのようにして協力したのか、教会がどのようにして内部、外部の奉仕のバランスを健康的に保っているのか、についても尋ねたという。
「ザッカーバーグ氏は、彼が『宗教』と呼ぶことに対して、教会がどれほど力を入れているのか、また彼が『社会貢献』と呼ぶことに対して教会がどれほど力を入れているのかに興味を持っていました」とクラウダー氏。「これは実際、悪い質問ではありません。教会が時折、自問自答することを考えるべきものです」と語った。
ザッカーバーグ氏は過去に、自身のフェイスブックのプロフィル欄で、宗教を「無神論者」としていた。また、2007年の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙とのインタビューでも、無神論者であることをほのめかす話をしていた。しかしその後、プロフィルからは宗教の項目を削除。そして、昨年のクリスマスには、自身のフェイスブックに無神論者ではないことを知らせるメッセージを投稿した。
ザッカーバーグ氏は、「メリー・クリスマス&ハッピー・ハヌカ(ユダヤ教の祭り)」とあいさつ。そして、「フェイスブックでこの日にシェアされる喜びと家族とのひと時を垣間見ることが、このコミュニティーにおける僕の楽しみの1つです。皆さんが、友人、愛する人々に囲まれていること、また人生において意味のあるあらゆることを振り返る機会を持たれることを願います。皆さんの友情という光が、皆さんの人生、そして私たちの世界を照らし続けますように」と投稿していた。
この投稿に対し、ある人が「でも、あなたは無神論者ではないのですか?」と質問。ザッカーバーグ氏はこれに対し、「いいえ(無神論者ではありません)」とはっきりと答え、「私はユダヤ教徒として育てられ、その後、疑問に思う時期を通りましたが、今は宗教がとても大切だと信じています」と語っていた。
ザッカーバーグ氏の中で、明らかに何らかの変化があったようだが、その兆候は、15年8月に、妻のプリシラ・チャンさんと共にローマ教皇フランシスコとバチカンで面会したときに見られる。
教皇フランシスコとの面会後、ザッカーバーグ氏はフェイスブックへの投稿で、「私たちは、教皇の憐(あわ)れみと優しさのあふれるメッセージにどれほど感銘を受けたかを伝えました。また教皇が、世界中のあらゆる信仰の人々とコミュニケーションを取るための新しい方法を見いだしたことに、どれほど感動したかを伝えました」と書いていた。