ローマ教皇フランシスコは29日、米フェイスブック社の創業者で最高経営責任者(CEO)のマーク・ザッカーバーグ氏と会見し、世界的な技術界の巨人をねぎらった。
ザッカーバーグ氏はプリシラ・チャン夫人を同伴し、バチカン(ローマ教皇庁)で教皇フランシスコと個人的に会見した。ローマ教皇庁の発表によると、夫妻は生涯における純資産の99パーセントを募金する誓約をしており、コミュニケーション技術を使って貧困を軽減する方策について教皇と話し合ったという。
またザッカーバーグ氏は会見の際、教皇への贈答品としてドローンを贈った。
「コンピューター音痴」を自称する教皇だが、これまで技術面で世界をリードする多くの指導者と会見してきた経緯がある。1月には、米アップル社CEOのティム・クック氏、検索エンジン「グーグル」の母体企業である米アルファベット社会長のエリック・シュミット氏と会見している。
教皇は、個人的にはパソコンを所有していないとしているものの、インターネットについては「神からの賜物」と述べており、「多くの出会いと連帯をもたらし得るもの」と評している。バチカンは、現教皇の代になって初めてデジタル通信を優先するコミュニケーション戦略を取るようになった。また教皇は、世界の指導者の中では最も影響力のあるツイッターユーザーとされており、3月には歴代の教皇の中では初めてインスタグラムを導入し、たちまち3千万人のフォロワーを獲得した。
しかし教皇は同時に、カトリック教徒の若者らに対して、スマートフォンを人々との実際の交流よりも優先したり、食事の際に使用することがないよう注意を促している。
バチカンの発表によると、ソーシャルメディアの今後の可能性について語る中で、教皇とザッカーバーグ氏は、「出会いの文化を奨励し、特に恵まれない人々に希望のメッセージを届ける一助とする道」について語り合ったという。