ロシア正教会モスクワ総主教庁の渉外局長であるボロコラムスク府主教イラリオンは10日、バチカン宮殿で教皇フランシスコに謁見した。同教会が同日、公式サイトで伝えた。
キリル総主教の代わりに、同渉外局長は、教皇フランシスコが17日に80歳の誕生日を祝うに当たって、同教皇にあいさつとご多幸を祈る言葉を伝えるとともに、同総主教からの贈り物として、サロフの聖セラフィムのイコンを贈呈した。教皇フランシスコはキリル総主教へ心からの感謝と兄弟としてのあいさつを伝えてくれるよう求めた。
両者の会談では、ロシア正教会とローマ・カトリック教会の間の関係に関するさまざまな諸問題が議論された。イラリオン府主教は、例えばテロリストが罪のない人々を殺している中東の情勢など、今年2月にハバナで行われた両教会の最高指導者同士の歴史的な会談で取り上げられた話題が依然として関連性があり、かつ緊急なままであると強調した。
11月25日にモスクワで開かれた、バチカン美術館から出展されたイタリアの宗教画の傑作を集めた他に類を見ない展示や、12月11日にローマでモスクワ・シノド聖歌隊とシスティーナ礼拝堂聖歌隊が出演した宗教音楽のコンサートのような、人目を引く催し物で結ばれた文化協力の進展に関心が注がれた。
天使と殉教者の聖マリア大聖堂で行われたこのコンサートは、ロシアでたたえられているアーティスト、アレクセイ・プザコフ氏がモスクワ・シノド聖歌隊を指揮し、マッシモ・パロンベラ氏がシスティーナ礼拝堂聖歌隊を指揮した。
ロシア正教会とバチカンの文化協力のための合同作業グループによって準備され、神学者聖グレゴリオ基金とインテサ銀行の支援で行われたこのコンサートは、教皇フランシスコの80歳の誕生日にささげられたもので、ローマにある大致命者聖カタリナ・ロシア正教会の庇護祭に合わせて、9日から14日までローマで行われている「ロシアーイタリア 何世紀も通じて」と題するロシア芸術祭の一環として開かれた。
なお、バチカン放送局英語版が11月23日に報じたところによると、教皇フランシスコはキリル総主教の70歳の誕生日の記念に、アッシジの聖フランシスコの記念品を贈呈した。これは、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長のクルト・コッホ枢機卿が、同月22日に総主教邸でキリル総主教との謁見を認められた際に贈られたもの。