アングリカン・コミュニオン(全世界聖公会)環境ネットワーク(ACEN、公式サイト)が作った「レントのための炭素の”断食”(the Carbon Fast for Lent)」が、今年になって大きな関心を集めている。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACEN)が17日に報じた。
オンラインでダウンロードできる「炭素の”断食”」の暦は、エネルギーや水の利用・ごみや移動を減らすことによって環境に対する自らの負荷を減らすために、また食べ物が環境に与える影響について配慮するために、参加者がレント(日本聖公会では大斎節と呼ばれる)の40日間に40の小さくて実現可能な手段を講じられるようになっている。
塵(ちり)も積もれば山となる行動を起こすことが、聖公会の多くの人たちの関心を呼んでいる。ブラジルの首座主教は自らの教会に対し、この「炭素の”断食”」に従うよう促した。フィリピン聖公会のダバオ主教は、それに従うよう自らの教区に促している。この「”断食”」はアングリカン・コミュニオンを超えて関心を集めている。「グローバル・カトリック気候運動」はそのメンバーに対し「この炭素の”断食”で『グリーン・アングリカンズ(緑の聖公会員たち)』に加わるよう」促した。
「この炭素の”断食”は心から始まる」と、ACEN運営グループのメンバーである、南部アフリカ聖公会のレイチェル・マッシュ牧師・博士は説明した。「参加する人たちは感謝の態度を実践するよう促され、それが消費主義に抗い地球の叫びを聞く助けとなるのです」
「これを基礎にして、肉を食べない月曜日や、私たちのゴミを半減させることを目指すとか、地元の製品を買うとか、石油をどう節約するかを考えるために私たちの運動を描くといったような小さな手段によって、私たちの心が実現可能な変化に対して開かれるようになるのです。私たち自身の態度が変わるにつれて、私たちは他の人たちに影響を及ぼすことができるのです」
「私は40日で世界を変えることはできないかもしれません。でも、自分を変えることができます! 40日後に、私たちはこのような行動を自らの日常生活の一部として取り入れることができるのです。もし40日間、私が歯を磨くときに水道の蛇口を止めれば、どうしてレントの後にそれをまたあらためて始めるでしょうか?」
この「レントのための炭素の”断食”」を伝えるのに、ソーシャルメディアが効果的な手段であることが分かっている。世界的には2万2千人のフェイスブックの利用者たちが、この「”断食”」を最初に公表した「グリーン・アングリカンズ」(フェイスブックはこちら)の「灰の水曜日」の投稿を見た。「グリーン・アングリカンズ」のフェイスブックの投稿の読者数は、毎週3万5千人を超えることもしばしばである。
「環境への配慮は三つの型の運動を一緒にまとめつつあります」とマッシュ博士は語った。「福音に根ざした社会正義に関心のある人たち、環境に関心のある人たち、そして先住民族の権利と福祉に関心のある人たちです。それはさまざまな教会や他の宗教的伝統にわたって人々を結び付けているのです。私たちは『運動の中の運動』の一部なのです」
「レントのための炭素の”断食”」の暦(英語)はこちら。