結婚と家族に関する教会の教義の明確化を求め、202人の司教を含む80万を超える人が、教皇フランシスコに対する「フィリアル・アピール」と題された請願書に署名をした。結婚と家族に関する教会の教えに「広範囲にわたる混乱」があることが見受けられる。
請願は、教皇フランシスコからの明確な言葉による指示を求めており、また「信仰に忠実な人たちにとって、教皇からの言葉が、大きくなりつつある混乱を鎮静させ、(取るべき道を)明確化させる唯一の方法」であると主張している。
昨年のシノドス(世界代表司教会議)臨時総会では、特に結婚や家族に焦点を当てた。会議での、論議になりかねない自由な発言に対し、教皇からの反論が無かったことがカトリック信者たちを啓発させ、これが178カ国に広がり、フィリアル・アピールへの署名という形に現れた。
懸念があったのは、会議で「例外事項」について明示されたことである。それらは「聖体拝領を受けるためにカトリック信者と再婚した場合、離婚および姦通が認められる」「事実上同性愛者組合を受け入れるが、神と自然の法則にのっとり、断固として反対し非難する」などであった。
署名した人たちは、信仰者の間で増えつつある混乱を鎮静させるため、明確な「言葉」を出すよう、教皇に請願している。
請願には、「これ(教皇の言葉)が、イエス・キリストの本当の教えが骨抜きにされてしまうことから守り、私たちの子どもたちの未来に差す闇を払拭し、先の歩みを照らす灯台としての役割となるでしょう」とある。
発案者の広報担当であるトマッソ・スキャンドログリオ教授は、フィリアル・アピールの人気は「相当な数の信者たちが、今日の、ある特定の神学的傾向について非常に心配している」ことを示すものだと語った。
219人の枢機卿のうちわずか8人のみが請願書に署名した。スキャンドログリオ氏は、これは大いに請願書の技術的な性質によると述べた。しかしながら、「請願が教皇への批判として解釈される」とし、慎重であることを理由に署名しないことを選択した人もいた。
教皇からの反応は非公式である可能性が高いが、主催者らは、教皇から彼らに対し応答があった時には、それを公開するとしている。