【CJC=東京】教皇フランシスコが5日からエクアドル、ボリビア、パラグアイの南米3カ国を歴訪することが決まって以来、78歳と高齢の教皇が標高4000メートル級のボリビア高地で万一のことがあってはと、健康維持のための用意も周到に進められてきた。
教皇は若い時に病気で肺の一部を摘出している。体調急変に備えて酸素ボンベを携行し、高山病に効果があるとされるコカの葉をかむ対策も取られた。
ボリビアでは、国際空港がある標高約4100メートルの町でカトリック信者と交流し、その後、標高約3600メートルの中心都市ラパスで、エボ・モラレス大統領らと面会する。高地滞在は数時間に及ぶ。身体への負担が心配されており、ボリビア政府は1日、教皇の体調管理のため、医療関係者ら約2千人を動員すると発表した。「携行できる小型の酸素ボンベや救急車を準備している」という。
教皇は、地元住民と同じように乾燥させたコカの葉をかむことを希望しているとも報じられ、同国政府は教皇用の葉を準備して迎えるという。麻薬コカインの原料となるコカは、各国で栽培が厳しく規制されているが、疲労回復の効果などから、ボリビアでは人々が伝統的に葉をかんだり、茶として利用したりしている。