ローマ・カトリック教会と世界教会協議会(WCC)の対話と共通の行動を調整する合同作業グループ(JWG)が22日から3日間にわたって、設立50周年を記念した。第二バチカン公会議が終わる直前に設立されたJWGは、今週、全体会議を開き、10回目のエキュメニカルな対話を行った。
バチカン放送局(英語版)は24日、「私たちの対話は続けなければならない」とローマ教皇フランシスコが、WCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事に対して記したメッセージにある言葉を見出しとする記事を掲載。23日夜にローマのセントロ・プロ・ウニオーネで開かれた会議で、クルト・コッホ枢機卿がそのメッセージを読み上げたと伝えた。
教皇フランシスコはそのメッセージの中で、「エキュメニカルな諸問題だけではなく、宗教間対話、平和や社会正義、そして慈善活動や人道支援の働きといった分野においても」JWGが推進してきた協働によって勇気づけられるべきだと述べた。しかし教皇は、数多くのエキュメニカルな達成にもかかわらず、「キリスト教の宣教と証しは私たちの分断のために今もなお苦しんでいる」と強調した。
一方、トヴェイト総幹事は、クリスチャンは環境に関する教皇の新しい回勅によってつくられた「固有のエキュメニカルな契機」を捉えなければならないと述べた。トヴェイト総幹事はまた、「誰が誰と共同体をなしているかについての洞察」を急激に変えつつある、欧州の移民に対し、より実践的で司牧的な形で応えていくことが極めて重要だとも考えていると、バチカン放送局が24日に別の記事で伝えた。
トヴェイト総幹事は、第二バチカン公会議によってもたらされた「重大な変革」だけでなく、「合同のプロジェクトを持ったり、数多くの諸問題に共に関わったり」して、それ以降に起きた関係の正常化をも祝うことが大切だと述べた。
両者を依然として分断している不一致について、トヴェイト総幹事は教会論に関する諸問題が「非常に真剣な形で取り組まれてきた」とし、それは「教会や聖職者の宣教奉仕とサクラメント(カトリックでは「秘跡」、正教会では「機密」、プロテスタントでは「聖礼典」、聖公会では「聖奠(せいてん)」)についての共通理解をさらに多くするため」であるとした。
JWGは過去半世紀にわたって定期的な会合を行ってきており、その活動に関する報告書を出版してきた。WCC中央委員および常議委員でルーマニア正教会のタルゴビステ大主教であるナイフォン府主教と、カトリック教会のディアルムイド・マーティン大司教が、JWGの共同議長を務めている。