神様はお一人です
神様はお一人です。そんなはずはありませんとおっしゃいますか? 日本には、天照大神があり、大黒さんや恵比寿さん、正月には七福神があり、そのほかにも土地の神様、たんぼの神様・・・天神様や八幡神社や何とか神社などいっぱいあるんじゃないですかとおっしゃるかもしれません。お正月になると、自分の大切にしているもの、自転車や台所にもお供えをしている家もありますね。感謝することは間違っていません。でも、申し訳ありませんが、それらは本当の神様ではありません。本当の神様はこれまでもお話しましたように、聖く全知全能で、霊なる神様なのです。日本には八百万というほどたくさんの神様があるといわれていますが、それは全部人間が考えて作った偽の神様です。たとえば、早い話が、天神様に祭られているのは、菅原道真という昔の人です。人間なのです。とても立派な偉い人だったのですが、神様ではありません。道真をねたむ人からいじめられて、都から遠い九州に追いやられた人です。道真が亡くなった時、日本中でいろいろな災いが起きました。これはきっと道真の恨みに違いない、きっと道真のたたりだと言って怖くなった人たちが、その怒りを鎮めるために作ったのが天満宮なのです。人を恨んだり、またそのために人に害を加えたりするのが神様にふさわしいといえるでしょうか。そんなものを拝んでどうなるというのでしょうか。本当の神様はただ一人、天地を造られた神様だけです。
香川県には、白峰寺というお寺があります。そこは、京都を追い出された崇徳上皇が祭られているということです。この方は、本当は天皇だったのですが、戦いに敗れて、とうとう四国に島流しになってしまいました。それで、そのことを恨んで恨んで、香川県で亡くなりました。今でも幽霊になって出るといわれています。でも、そんな恨みを持ったものを神様として拝むのはおかしいのではないでしょうか。神様は、いつでも良いものをいっぱい与えてくださるお方なのです。そして、本当の神様はお一人だけです。
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浜島敏(はまじま・びん)
1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。