イエス・キリスト④
聖書は、悩んでいる人を慰め、苦しんでいる人の苦しみを和らげ、弱虫を力づけ、怖がっている人には怖がらなくてもよいと教え、病気の人を治し、神様なんかいらないと言っていた人を、神様の子どもにする力があります。これは、イエス様がみんなの代わりに十字架の上で死ぬことで、みんなの悩みや、苦しみ、恐れ、病気などを全部取ってくださったからです。
信じた瞬間に全く変わって別人のようになる人もいますし、いっぺんには変わらない人もいるかもしれません。むしろ、そちらの方が多いでしょう。しかし、大事なのは、イエス様を信じたとたんにすぐ変わるかどうかは関係なく、イエス様を信じたということは、罪のない体に変えられて、天国行きの切符をもらったということです。それも、代金は全部イエス様が自分で払ってくれたのです。私たちはただ、切符をくださいと言うだけでよいのです。
そんな高い切符は、もったいなくていただけませんと言っていたら、永久にその切符は手に入りません。ですから、私にはお金がありませんが、どうぞ切符を私にもくださいと申し出たらよいのです。そして、イエス様に切符をいただいたら、感謝の気持ちで神様に恩返しをしたらよいのです。
どうしたら恩返しができるでしょうか。家族や友達に、イエス様のことを話してあげたり、困っている人を助けたりするようにしましょう。そして、地球上のみんなが平和で幸せになれるようにしましょう。それを神様は喜んで受け入れてくださいます。
マザー・テレサという人の話を聞いたことがあるでしょうか。この人は、マケドニアの生まれですが、イエス様を信じて、困っている人のためになろうと決心し、インドまで行って、インド人と一緒に住み、インド人のお世話をしました。ちょうど、イエス様にしていると同じように、インド人に仕えたのです。
彼女は、インド人一人一人がイエス様のようだと言っています。イエス様は、となりの困っている人を、私だと思って、その人たちのためにお世話をしなさいとおっしゃいました(マタイ25:40)。マザー・テレサはその通りを行ったのです。神様は喜んでくださったに違いありません。
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浜島敏(はまじま・びん)
1937年、愛知県に生まれる。明治学院大学、同大学院修了。1968年4月、四国学院大学赴任。2004年3月同大学定年退職。現在、四国学院大学名誉教授。専攻は英語学、聖書翻訳研究。1974、5年には、英国内外聖書協会、大英図書館など、1995、6年にはロンドン大学、ヘブライ大学などにおいて資料収集と研究。2006年、日本聖書協会より、聖書事業功労者受賞。2014年7~9月、ロンドン日本語教会短期奉仕。神学博士。なお、聖書収集家として(現在約800点所蔵)、過去数回にわたり聖書展示会を行う。国際ギデオン協会会員。日本景教研究会会員。聖書の歴史、聖書翻訳に関する著書・翻訳書、論文多数。