ナイジェリア教会のジョサイア・アトキンス・イドウ・ファーロン主教が、聖公会の世界共同体「アングリカン・コミュニオン」(全世界聖公会)の次期総主事に任命された。就任は7月。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)が2日に報じた。
イドウ・フェアロン主教は現在、アウングリカン・コミュニオンの一員であるナイジェリア教会のカドゥナ主教を務めており、そこでの働きにおける、キリスト教徒とイスラム教徒の関係における専門性により、聖公会の中では世界的に知られている。カドゥナは、ナイジェリア中部カドゥナ州の州都で、聖公会カドゥナ管区がある。
1998年からカドゥナ主教を務めており、現在、カドゥナ聖公会研究センターの所長でもある。それ以前には、ナイジェリア北西部の都市ソコトでソコト主教を、北部のウササでアッシジの聖フランシス神学院長を、そしてカドゥナで聖ミカエル大聖堂司祭長を務めていた。
任命を受けて、イドウ・フェアロン主教は、「アングリカン・コミュニオンの事務総長という職を担い、そしてこの事務所で前任者が受け持っていた素晴らしい奉仕を続けることになり、興奮している」とコメント。「光栄にも、この共同体によってこの指導者の職という名誉を与えられ、認められることになった。私の将来の同僚たちと共に、アングリカン・コミュニオンの事務所とカンタベリー大主教の事務所で、聖公会の家族に仕えるのを楽しみにしている」と語った。
聖公会諮問評議会(ACC)のジェイムズ・テンガテンガ議長は、この任命を温かく歓迎し、「ジョサイア主教がこの職を引き受けてくれたのをうれしく思う。彼はアングリカン・コミュニオンとその生活および奉仕に欠かせない新しい視点をもたらしてくれるだろう。キリスト教徒とイスラム教徒の関係における彼の経験と専門性は、今この時にあってとりわけ歓迎すべきものだ」と述べた。
ジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は、「私はジョサイア主教の任命を温かく歓迎するとともに、今日私たちが直面している地球規模の諸課題のただ中におけるアングリカン・コミュニオンの刷新において、彼と共に緊密に働くのを楽しみにしている」と語った。
イドウ・フェアロン主教は、ナイジェリアのアフマド・ベロ大学で社会学博士号と教育学準修士号、英バーミンガム大学でイスラム神学修士号、英ダラム大学で神学学士号をそれぞれ取得した。キリスト教徒とイスラム教徒の関係の問題について幅広い講演や出版を行っている。また、さまざまなナイジェリア国内の宗教間組織で奉仕をしており、以前からいくつかのプロジェクトでアングリカン・コミュニオンの事務所やランベス宮殿でも働いていた。
ニジェール勲章、カンタベリー大主教の聖アウグスティヌス十字架賞を受賞しており、カンタベリー大聖堂の6人の説教者のうちの1人。コンフォート夫人との間に、イブラヒムとニンマの2人の子どもがいる。
次期事務総長の候補者は、オセアニア、アジア、アフリカ、欧州、北南米といった世界各地から名前が挙がっていたが、イドウ・フェアロン主教はその中から選出された。
事務総長の要件には、「和解という神の宣教に対してさらにもっと忠実となり、そしてそれにさらにもっと携わるよう、アングリカン・コミュニオンを支えること」が示されていた。
また、「合格者は献身的なキリスト教徒で、深い信仰と祈りの人であり、キリストとその教会のための将来を見通した使節であり、アングリカン・コミュニオンの諸教会の間に癒やしをもたらすための架け橋を築く人であり、創造力と想像力のある思想家であり、アングリカン・コミュニオンの証しと実効性、その構造、そしてそのプログラムを刷新するのを助けるような、霊感を与える指導者であること」とあった。