上智大学(東京都千代田区)は3月6日、国連教育科学文化機関(UNESCO)アジア太平洋地域教育局(所在地:タイ・バンコク)と東南アジア教育大臣機構高等教育開発センター(SEAMEO−RIHED、所在地:同)と教育連携協定を締結した。これにより同大は、協定を結んだ各機関と協力して、高等教育分野などでの共同プロジェクト・研究の実施、教職員・スタッフ間の交流、インターンシップの実施、シンポジウム・セミナーなどの共同実施などを展開していくことになる。
上智大学は、文部科学省の2013年度「大学の世界展開力強化事業(AIMSプログラム)」に選ばれたことを機に、東南アジア諸国連合(ASEAN)の3カ国(インドネシア・タイ・フィリピン)の6大学との交流促進を目的とした留学プログラムをスタートした。今年2月には、同大5番目の海外拠点となる「上智大学ASEANハブセンター」をバンコクに開設。3月6日には同センターの開設記念シンポジウムを行い、併せて今回協定を結んだ各機関との調印式を行った。
シンポジウムでは、文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」事業に採択されたことなど、同大のグローバル化への取組みについて、上智学院理事長の髙祖敏明氏が説明。アジアにおける教育研究のハブ拠点の役割について語った。その後、パネリストらにより、ASEAN地域の高等教育の国際化が進むべき方向性や、大学生交流事業における質の保証などについて議論が交わされた。
今回提携を結んだ、UNESCOアジア太平洋地域教育局は、教育や文化、科学技術、情報・コミュニケーションを通じて平和、貧困削減、持続可能な開発、文化間の対話の促進のために活動している国連専門機関・UNESCOのアジア太平洋地域の教育局として、1961年に設立した。主に同地域内の教育政策助言や能力開発支援などを行い、特にASEAN加盟国のうちタイやカンボジアなど6カ国の教育関連事業を統括・実施している。
一方、SEAMEO−RIHEDは、東南アジアにおける教育・科学・文化的分野での連携促進を目的に、東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)の地域センターの一つとして1993年に設立された。高等教育の効率性と効果を高め、調和化を図ることを使命としている。同大が2013年度から参加したAIMSプログラムの運営機関でもある。
同大は今回の協定締結を受け、「(これらの機関との)パートナーシップによって、ASEANや大メコン圏(カンボジア、ラオス、ベトナム、タイ、ミャンマー及び中国雲南省)の高等教育ネットワークの連携を強化しつつ、東南アジア地域との学術・研究交流に積極的に取り組んでいきます」としている。