長崎県南島原市と福岡市の西南学院大学博物館が12日、キリスト教研究や教育活動で連携していく相互支援協定を結んだ。西日本新聞が報じた。
西南学院大学は1915年に設立された米国南部バプテストの流れをくむ大学。同大学博物館は2006年にキリスト教文化を伝える博物館としてオープン。建物は著名なクリスチャン建築家、ヴォーリズの作品で、西南学院創立者のC・K・ドージャーの遺品や資料、ユダヤ教の資料と写本、日本のキリシタンの遺品などが充実している。
一方、南島原市は、同市の日野江城跡と「島原・天草の乱」の主戦場となった原城跡が世界文化遺産登録申請中の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」に含まれている。
南島原市と西南学院大学博物館はこれまでも、資料の貸し借りなどで活発に交流してきており、昨年は原城図書館で島原の乱の共同企画展を開いた。
西日本新聞によると、南島原市内で行われた調印式で松本政博市長は「史跡や文化財の調査研究、職員の交流が充実すると確信している」とコメント。一方、宮崎克則同博物館長は、「協定を契機に大学の地域貢献の役割を果たしたい」と今後の期待を述べた。
今年は隠れキリシタンの信徒たちと宣教師が出会った「信徒発見」からちょうど150年。またユネスコが認定すれば、2016年に「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」は世界遺産となる。この気運を上げようと、さまざまな催しが行われている。今年は長崎から目が離せない。