【CJC=東京】長崎県の欧州訪問団は20日、中村法道知事らがバチカン(ローマ教皇庁)を訪れ、ピエトロ・パロリン国務省長官(枢機卿)らと会談した。教皇フランシスコの長崎年内訪問を要請した知事に対し、バチカン側は「教皇に熱意を伝える」と約束した。
長崎新聞によると、訪問団は長崎輝章・駐バチカン日本大使が同行。パロリン国務省長官をはじめ、世界遺産を所管するジャンフランコ・ラバージ文化評議会議長(枢機卿)、ポール・リチャード・ギャラガー外務局次官(大司教)、ジュゼッペ・ベルテッロ市国政庁長官(大司教)の4人と個別に面談した。知事は教皇訪問と、日本政府が正式推薦を決めた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界文化遺産登録へ支援を求めた。
2015年の教皇の国外訪問日程は固まっており、現時点で日本は含まれていない。だがパロリン長官は「今年は教会群の正式推薦が決まり、さらに信徒発見150年に被爆70年となれば多くの訪問要請があるだろう」と述べ、年内訪問の可能性も残っていると訪問団に伝えた。
ラバーシ議長は、正式に教会群を推薦する意向を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に伝え、支援に向け担当者を置いたと明らかにした。「ユネスコは宗教性に批判的な場合がある。日本と西洋文化の16世紀からの対話をメインに据えた方がよい」と助言したと長崎新聞は報じている。