政府は14日、来年の世界文化遺産登録を目指し、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)を正式に推薦することを決定した。16日の閣議了解が得られれば、今月中にユネスコへ正式に推薦状が提出される。今年の秋にもユネスコの諮問機関が現地調査し、2016年夏の世界遺産委員会で登録の可否が審査される。
長崎の教会群は、現存する国内最古のキリスト教会で国宝の大浦天主堂(長崎市)や、鎖国・禁教時代に迫害を逃れて潜伏したキリシタンが信仰を守った「天草の崎津集落」(熊本県天草市)などで構成されている。政府は「400年以上にわたるキリスト教受容の経過を示す例のない遺産」と推薦理由を説明したと、共同通信は伝えている。
長崎市が委託した地元研究機関の調査によると、登録初年度に教会群には11万~26万人の観光客が訪れ、39億4千万~100億9千万円の経済効果が期待されると試算されている。長崎市は今後、通訳ガイドの育成や案内板をはじめ、トイレ、駐車場を整備するなど、観光客の受け入れ態勢を強化する方針だ。