バチカンは7日、フランス・パリで起きた新聞社「シャルリー・エブド」襲撃事件を「テロリストの攻撃」であるとして非難する声明を発表した。
「動機が何であれ、殺人による暴力は忌まわしいものであり、決して正当化できるものではなく、全ての人々の命と尊厳はしっかりと保証され保護されるものであって、嫌悪をあおることはいかなるものであれ拒否すべきであり、尊重が育まれなければならない」と、バチカンはカトリックの公式メディア「ゼニット(ZENIT)」を通じて述べた。
また、世界教会協議会(WCC)も7日、パリにある同新聞社のオフィスに対する武装襲撃で12人が死亡したというニュースに反応し、ゲオルギオス・レモポウロス総幹事代行がこれを非難した。
「きょう、パリで起きた『シャルリー・エブド』という風刺的な新聞に対する致命的な襲撃は、人の命と人間の尊厳、そして全ての人々の人権に対する襲撃である」と、レモポウロス総幹事代行はWCCの公式サイトで述べた。また、「世界教会協議会は、そのために宗教によって進められるいかなる正当化をも完全に拒否し非難する」と続けた。
さらに、「私たちは、真の信仰と善意ある全ての人々と共に、犠牲者とそのご遺族のために祈るとともに、犯人が罰せられるように、この襲撃を引き起こしたその過激な思想が消されるように、そして正当化された怒りがイスラム教徒に対する報復につながったり、反イスラム感情の火に油を注ぐことがないように祈る」と、同総幹事代行は述べた。
一方、コミュニケーションの権利に基づいて社会正義を促進する非政府組織である世界キリスト教コミュニケーション協会(WACC)も、フェイスブックで「WACCは、プロのジャーナリストたちに対するこの悪意のある非道な襲撃を非難するとともに、犠牲者のご遺族に心からの哀悼の意を表します。風刺的な雑誌は民主的社会において重要な役割を果たしており、その一方でその手法を誰もが受け入れているわけではありませんが、この悲劇的な事件は表現や意見の自由の明白な侵害です」と述べた。
WACC欧州地域協会もまた、「私たちは犠牲者のご遺族やご友人、同僚の方々に同情の気持ちをお伝えします。私たちはこの襲撃を非難した全ての宗教の代表者たちに加わるとともに、全ての宗教者が平和のうちに共に生き、働くことができる欧州を信じる私たちの信念を再確認します」と述べた。
WACCの総幹事であるカリン・アクテルステッター牧師・博士は、この襲撃を非難し、世界中のジャーナリストたちがますます襲撃に直面しつつあると述べた。
「過去10年間にわたって、600人を超えるジャーナリストやメディアの従業員が殺されており、2014年だけでも61人が死亡した。ジャーナリストを守るためにもっと多くのことをし、暴力がさらに高まるのを防ぐことが、緊急の課題である」
さらに、欧州教会協議会(CEC)のガイ・リアグレ総幹事も、この事件を受けて哀悼の意と平和への希望を表した。リアグレ総幹事は「私たちはこの取り返しのつかない損失の直後にあって、犠牲者とそのご遺族のために悲しみます」と述べ、「欧州の諸教会は来るべき日々の正義と平和に対する深遠な希望をもって、善意ある全ての人々に加わります」と語った。