【CJC=東京】教皇フランシスコは4日、バチカン(ローマ教皇庁)を私的に訪問したイスラエルのシモン・ペレス前大統領と1時間近く会見した。ペレス氏は教皇に、宗教対立などの問題に対処する「国連形式の宗教組織」の創設を提案した。
提案では、国連憲章のような「宗教憲章」をつくり、賛同するすべての宗教団体の加盟を目指すとしている。
ペレス氏は新組織の必要性を「これまで戦争は国家同士の論理で起きていた。しかし今は宗教を理由に起きている」とし、「信仰の名をかたるテロリストに対抗する最善の手段だ」とも語った。
バチカン広報事務所長フェデリコ・ロンバルディ神父によると、ペレス氏は平和構築を目指す上での自らの考えを伝えるために、教皇との会見を希望していたもので、教皇は、ペレス氏の提案に耳を傾け、個人的に関わるのではなく、諸宗教対話評議会や正義と平和評議会など、バチカンの関係機関に伝えることを約束した。
カトリック週刊誌「ファミリア・クリスティーナ」も、ペレス氏が、神の名の下に人を殺害するテロに立ち向かうためには「宗教連合」が最善だとの考えを示したと報じている。
ペレス氏は7月24日に大統領の任期を満了、退任した。1994年にノーベル平和賞を受賞した。