【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)列聖省は23日、第二次大戦直後に東京・隅田川沿いの貧しい人々が暮らす地域で住民の救済に尽くし、28歳で死去した北原怜子さんに対し、生前の徳や殉教により聖性が認められた「福者」とするための「英雄的徳行」を認定したと発表した。
北原さんは1929年に東京で生まれ、昭和女子薬学専門学校(現在の昭和薬科大)を卒業後、49年、カトリック信者となった。その後、孤児など貧困者救済に活躍していたコンベンツァル聖フランシスコ修道会のゼノ・ゼブロフスキー修道士と出会った。それを機に墨田区の自宅近くにあった廃品回収業者たちが居住する「蟻(アリ)の町」に住み込み、子どもたちの教育などに献身、「蟻の町のマリア」と呼ばれた。58年死去。
コンベンツァル修道会日本管区では、北原怜子さんを「福者」とするため、列福運動を進めてきた。