【CJC=東京】教皇フランシスコは14日、バチカン(ローマ教皇庁)のサンピエトロ大聖堂で新枢機卿20人の叙任式を行った。フランシスコ教皇による枢機卿任命は2013年3月に就任して以来2回目。
教皇は、枢機卿の責務について「名誉職のようなお飾りではない」と強調、「いかなる不正も容認しないように、強い正義感を持つ必要がある」と述べた。
東南アジアのミャンマー、南太平洋の島国トンガ、大西洋の島国カボベルデから初めて枢機卿が誕生、「貧者のための教会」を掲げる教皇の途上国重視の姿勢が浮き彫りになった。北米からの任命はなかった。
新枢機卿20人のうち教皇選挙会議(コンクラーベ)に参加できる80歳未満は15人。内訳はアジア・オセアニア5人、欧州5人、中南米3人、アフリカ2人。9人が途上国の出身者。
今回の叙任により、枢機卿は計227人、うち80歳未満は125人となった。125人中、欧州は57人と半数を割り込み、中南米(18人)、北米(18人)、アジア・オセアニア(17人)、アフリカ(15人)の非欧州勢が多数派となった。
教皇はバチカンの組織改革を進めているが、内部に抵抗がある。世界各地の教区で司教を務めている枢機卿の協力が必要とされ、今回の枢機卿の人選が、改革の行方に影響を与えるとみられる。