教皇フランシスコが、子どもを持たない選択をすることを「自己中心的」だと述べた。教皇は11日、バチカンのサン・ピエトロ広場での一般謁見でこう語り、少子化社会を「意気消沈している」と述べた。
バチカン放送によると、教皇は「もし、豊かな家庭で子どもがあたかも重荷のように捉えられているならば、それは間違っています。教皇パウロ6世の回勅『フマーネ・ヴィテ』にある通り、多くの子どもを持つことイコール無責任な選択とまではいえません」と聴衆に語った。
「子どもを持たないという選択は、自己中心的です。子どもが増えると、人生は若返り、力を得るのです。人生を豊かにするのであり、不毛にするのではありません。子どもは家庭の中で適切な働きをすることを学び、犠牲を払い合う中で成熟し、またその賜物への感謝の中で育つのです」
1月に教皇フランシスコは、世話ができないほど多くの子どもを持つことは、ある意味では無責任な行いだと述べた。一方、カトリックの避妊禁止は継続することを明らかにした。
「こんなことを言って申し訳ないのですが、良いカトリック信者になるには、ウサギのようにならなければならないと考えている人もいます」と、1月中旬に教皇就任後初めてフィリピンを訪問したあとに、教皇はこう述べた。
教皇は、7回帝王切開で出産した女性が8回目の妊娠をした例を引き合いに出し、このような話は「神を試している」と語った。
一方、他のスピーチで教皇は、大家族を賞賛しており、バチカンに集まった聴衆に向けた11日の最新のスピーチでは、少子化社会に悩む欧州は「意気消沈している」と述べた。
「世代をつなぐ尊いリンクは将来の保証で、人類そのものの物語の保証です。親を尊重しない子どものいる社会は、尊重し合うことのない社会ですし、もしあなたが親を尊重しないなら、あなたも尊重されません。そのような社会は、無味乾燥で、貪欲な若者ばかりいる社会になるよう運命づけられています」と教皇。
「しかし、たとえそういった貪欲な世代のいる社会でも、子どもに囲まれることを望まず、また子どもを厄介な存在、重圧、リスクとしてしか捉えられないならば、その社会は意気消沈しているのです」「欧州で私たちが知っている多くの社会について考えてみてください。これらは意気消沈した社会です。子どもを望まず、子どもを持たないからです」と続けた。
教皇フランシスコは、子どもは家族のため、そして社会のため、教会のためになる存在だと強調した。そして、聴衆の中にいる親と子どもにそれぞれ祝福を与えた。