【CJC=東京】「1945年8月6日、われわれは人類史上、最も恐ろしい惨事の一つを目撃した」――教皇フランシスコは12日、バチカン(ローマ教皇庁)で、駐在大使ら外交団と会見し、第二次世界大戦後70年にあたって、広島への原爆投下について「ヒロシマ」と名前は挙げなかったが、「人類史上、最も恐ろしい惨事」と言及し、国際社会に対して平和な世界を構築するよう訴えた。
教皇は演説の中で「前例のない新しい方法によって、人間の破壊力がどれほどのものかを世界は初めて目の当たりにした」と述べた。その上で教皇は、第二次大戦という「とてつもない惨劇の廃墟」から「国連の創設につながる対話と出会いの意志が生まれた」と戦後秩序の構築努力をたたえた。ウクライナや中東、アフリカなど各地で紛争が続く中、「各国政府や国際社会は、あらゆる形の戦闘や憎悪、暴力を終わらせ、和解と平和、人間の尊厳を追求するように」とも求めた。
また、教皇は、最近のパリでの週刊紙襲撃事件を踏まえ、「暴力行為を正当化しようとする原理主義、過激派の宗教解釈」をイスラム教指導者が一丸となって非難するよう訴えた。