世界教会協議会(WCC)総幹事のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト牧師・博士が8月に来日することが分かった。
「日本聖公会管区事務所だより」は4月30日付290号で、「WCC総幹事来日受け入れ費用に関してWCC総幹事のOlav Fykse Tveit氏が2014 年8月1日より7日まで来日し、東京・仙台・広島・京都へ訪問を予定している。来日に伴いNCC、日基教団、在日大韓、聖公会で準備委員会を組織することとなり、受け入れ費用の応分負担が求められている。ちなみに、日基教団は50万円を負担するとのこと。検討・協議の結果、30万円(〜40万円)を負担することで承認した」と報じた。
また、日本キリスト教協議会(NCC)の網野彰子総幹事は9日、本紙からのメールによる問い合わせに対し、「WCC総幹事来日の件、日本基督教団・日本聖公会が主導しておりお任せしております。来日の際には、NCCとしてもお会いするべく伺います」などと答えた。
一方、日本基督教団やWCCは同総幹事の来日について、今のところ独自のメディアを通じて公表はしていない。
WCC中央委員である西原廉太・立教大学副総長は2012年、日本エキュメニカル協会主催の公開研究会で、これまで来日経験のないトゥヴェイト氏が、広島や東日本大震災の被災地の訪問を希望しており、来日の可能性があること、またNCCや各教派の代表との懇談も希望していると明かしていた。
その際、西原氏は「総幹事を招待することについてNCCを中心になるべく早い時期に協議する必要があると考える。WCC総会前のプレ・プログラムとしても位置付け可能であり、日本のエキュメニカル運動の再起動の上でも大きな効果があるのではないか」と述べていた(関連記事:立教大学副総長西原廉太氏、WCC釜山総会概要を説明)。
トゥヴェイト氏は1960年生まれ、ノルウェー出身。WCCによると、同氏は2009年8月にWCC総幹事に選出され、2010年1月に就任した。同氏は任期の始めに、「十字架のエキュメニカル運動」について説教を行った。
WCC総幹事に選出された当時、トゥヴェイト氏はノルウェー教会エキュメニカル・国際関係協議会の総幹事を2002年から務めていた。
WCC総幹事に就任する前、トゥヴェイト氏はWCC信仰と職制委員会の委員や、パレスチナ・イスラエル・エキュメニカル・フォーラムの中心グループの共同議長を務めていた。
トゥヴェイト氏は母国ノルウェーで、ノルウェー・キリスト教協議会の理事と常議員、ノルウェー教会・ノルウェーイスラム教協議会連絡会やノルウェー教会・ユダヤ教会連絡会の各議長を務めた。同氏はまた、ノルウェー宗教間協議会の協議員やノルウェー教会の援助機関である「ノルウェージャン・チャーチ・エイド」の理事も務めた。
また、1999年から2000年まではノルウェー教会教義委員会幹事、2001年から02年までは教会と国家関係幹事を務めた。トゥヴェイト氏はノルウェー教会(ルーテル派)の牧師で、1988年から91年までムーレ監督管区のハラム教区牧師、1987年から88年までの徴兵期間中は陸軍付牧師として奉仕した。2002年に、トゥヴェイト氏は首都オスロにあるノルウェー神学校で、「エキュメニカルな態度としての相互の説明責任」に関する論文で神学博士号を取得した。
英語による著書に、『Christian Solidarity in the Cross of Christ』(WCC、2012年)、『Mutual Accountability as Ecumenical Attitude: A Study in Ecumenical Ecclesiology Based on Faith and Order Texts 1948-1998』(Norwegian Lutheran School of Theology、2001年)などがあるほか、Fernando EnnsとAnnette Mosher編『Just Peace: Ecumenical, Intercultural, and Interdisciplinary Perspectives』(Pickwick Publications - An Imprint of Wipf and Stock Publishers、2013年)のはしがきも記している。