ウクライナ外務省は、ロシア正教会モスクワ総主教庁教会渉外部長のイラリオン府主教がウクライナ入国を禁じられたことに対する関与を否定した。ウクライナ宗教情報サービス(RISU)が15日に報じた。
「今回の場合については、ウクライナ外務省はこれ(禁止)と何の関係もない」と、ウクライナ外務省スポークスマンのイェヴゲニ・ペレビニス氏はある報告の中で述べた。
同氏はこの決定についてコメントを避け、この問題は同省の権限の範囲外だと述べた。「誰かを入国させるかさせないかという権利は、ウクライナの法律施行当局から関連する要請があればそれに基づいて活動している出入国管理局にある」と、ペレビニス氏は述べた。
75歳の誕生日を迎えたウクライナ正教会モスクワ総主教庁系のドニプロペトロウシク・パヴログラード府主教イリネヤ座下のお祝いに参加しようと、ロシア正教会モスクワ及び全ロシアのキリル総主教聖下の祝福を受けて、モスクワ州西部にあるヴォロコラムスクのイラリオン府主教は、今月9日にドニプロペトロウシクに到着した。
しかし、出入国管理局でイラリオン府主教は拘留され、ウクライナ入国を禁じる公式の通知を受けた。
また、ロシア正教会は12日、イラリオン府主教の入国禁止に抗議するモスクワ総主教庁シノッド情報部の公式声明文を公式ウェブサイトに発表していた。
同声明文は、「2014年5月9日、モスクワ総主教庁渉外部長であるヴォロコラムスクのイラリオン府主教は、ドニプロペトロウシクの国際空港にある旅券管理局を通過中に拘留された。数時間待った後、彼は代わりに、『出入国管理に関する』ウクライナの法律第8条の最初の部分に関連して、ウクライナの国境を渡る許可を認めないことに関する公式の書面による通知を交付されたが、それは『ウクライナの権限ある国家機関が彼のウクライナ入国に禁止を課する決定を行ったため』であった」と説明していた。
一方、RISUは「その禁止の理由は何も伝えられなかった」としている。
16日、ロイター通信が伝えたところによると、イラリオン府主教は、宗教的な対立がウクライナの危機における分断を深めており、対抗する諸教会が政治的に与し、ウクライナ政府がロシア正教会を軽んじていると語った。同府主教はまた、ギリシャ・カトリック教会と(ウクライナ正教会キエフ派などの)分派は明らかに自らを現政権と同一視していると語ったという。