ウクライナ教会・宗教団体協議会(UCCRO)は3日、同国における分離主義の表れを非難し、国際的に認められた国境の中におけるウクライナの保全を訴えた。ウクライナ宗教情報サービスが4日伝えた。
これは3日にキエフ・ソフィア博物館で行われた会議で採択された共同声明で、モスクワ総主教庁系のウクライナ正教会キエフ府主教代行であるオヌフリイ府主教が同会議の議長を務めたと、ウクライナの首都キエフにある人権NGO「信教の自由研究所」が報じた。
同協議会は、ウクライナには信者たちの間に宗教的な嫌悪や不寛容などないと、全会一致で宣言した。教会や宗教団体の最高指導者たちは、一部のメディアがやろうとしてきたような、宗教的な理由で嫌悪をかき立てる挑発や試みを非難した。
「私たちの国が体験している社会的・政治的危機にも関わらず、教会や宗教団体は異なる宗教間の平和を保っている」と、同協議会はその共同声明で強調した。
加えて、ウクライナの諸教派の最高指導者たちは、ウクライナに戦略的な協力関係を諸教会や諸宗教団体、そしてウクライナの社会と国家の間に築く必要性に深い確信を表した。
この目的のために、同協議会は「ウクライナの教会と国家の関係の概念に関する」法律を採択することを提案した。これは無神論の過去がもたらした結末を克服し、憲法上の自由を成し遂げ、諸教会や諸宗教団体と国家の協力のために具体的な機構を確立するのに役立つだろうという。
同協議会は、この法案が新政府の計画において最優先課題の一つであることを歓迎するとともに、それが近い将来に採択されるよう望んでいるという。
一方、ロシア正教会が公式サイトで3日付で伝えたところによると、セルビア総主教イリネイ聖下は、セルビア国民とセルビア正教会を代表し、同胞相争う嫌悪や混乱がウクライナを支配しているとして、これに深い憂慮を示した。同総主教は、セルビアが似たような状況を経験し、癒されていない深い傷を残したことを悲しみを持って思い起こしたという。
これはみなセルビアで起きたとともに、いまウクライナで起きているが、それはある特定の人々が正教会の何世紀にもわたる伝統や経験よりもむしろ政治家たちのウソの約束を信じたからだと、ロシア正教会は伝えた。
イリネイ総主教は、正教の敵が、ルーシの洗礼(西暦988年にキエフ大公ウラジーミル1世が東ローマ帝国の国教だった正教の洗礼を受けたこと)の1025番目の記念日を全正教が祝うのに嫉妬して、レントの前日に意図的に信者たちをキエフで誘惑へと導いたのだと考えている、とロシア正教会は伝えた。
ロシア正教会はまた、正教の平和と善のために、ウクライナの熱心な信者たちに彼らの総主教のいうことに耳を傾けさせ心を一つにさせるべく、オヌフリイ府主教に祈りの大胆さと霊的闘いのための強さをお与えくださるよう、セルビア正教会のイリネイ総主教が主に祈っていると伝えた。
また、ロシア正教会は、ワルシャワ及び全ポーランドのサワ府主教聖下が、「ポーランド正教会はウラジミール府主教の健康と、ウクライナ国民の困難な時に教会の責任をゆだねられたオヌフリイ府主教によるキエフ総主教庁の統括の成功のために祈っている」とメッセージに記したと伝えた。
ロシア正教会によると、サワ府主教はロシア正教会の総主教に「ウクライナの聖なる正教の諸問題を解決するためにとても必要な神の豊かな助け」があるよう願ったという。