在日ウクライナ大使館のウェブサイトによると、「在日ウクライナ人は、ロシア軍によるウクライナ領土侵入と戦争開始に伴い、3月4日に在日東京ロシア連邦大使館付近で、3月5日に在大阪ロシア連邦総領事館で抗議を行いました。抗議の参加者はロシア政府の行動を国際犯罪と見なし、ロシア軍の即時撤退を求めました。ロシア連邦総領事館には下記の抗議文が届けられました」という。
同ウェブサイトには、3月5日の在大阪ロシア連邦総領事館に渡された次の請願書(まとめ)が掲載されている。
ロシア連邦プーチン大統領及び在大阪ロシア連邦総領事宛
関西在住のウクライナ人及びその他の友好諸国の国民より
我々、関西在住のウクライナ人及びその他の友好諸国の国民は、ロシアの武装団体による主権国であるウクライナの国有領土へ侵略を批判しています。この侵略により、ロシア連邦は国際連合憲章をはじめ、ブダペスト覚書(1994年)、ウクライナ・ロシア修好条約(1997年)などの国際条約を破りました。
我々はロシア政府に以下を求めています。
1)民族間の確執を招き、地域情勢の不安定化や武装対立等を目的とするウクライナに対する攻撃行為を直ちに中止すること
2)ウクライナ国有領土に駐留しているロシア軍事部隊及び所属不明の武装集団が即時に撤退すること
3)上記のロシア軍事部隊及び所属不明の武装集団による挑発行為を即時に止めること
4)反逆罪(計画殺人)の容疑者になっているヤヌコヴィッチ前大統領、ザハルチェンコ元内務大臣、プションカ元検事総長を逮捕し、ウクライナの警察機関に引き渡すこと
5)ウクライナ国内に、国家シンボルの侮辱、分離主義的な呼びかけ、民族間の確執を起こす行為など右翼組織のメンバーのロシア住民の挑発行為に対して法律に基づいて措置をとること
6)ウクライナの軍事介入を正当化のため、国内情勢についての事実を故意に歪曲することなど、いわゆるウクライナやその住民に対する情報戦争及びプロパンガンダをやめること
ロシア連邦の行為はウクライナで流血を招く恐れがあるので、状態収拾のために自分の行為を見直すことを呼び掛ける。
国の主権及び統一性が他国に保障される現代の国際条約のシステムが上記のような行為によって崩壊する恐れがあります。
在外住民を守るという名目で歴史上で最も過酷な戦争を起こしたヒトラーの真似しないでください。両民族を軍事的な紛争に巻き込むことによりロシア政府は、自分の国民をはじめ全世界が被害をうける第三次戦争を始めようとしています。
ウクライナやロシア国民、そして国際社会は隣国に対する攻撃を絶対に許せません。戦争を止めてください!
この請願書が掲載されたウェブページは、次の言葉でしめくくられている。
「在日ウクライナ人は、その多くが日本の文化をこよなく愛し、日本語も話せる人ばかりです。遠く母国を離れ、戦争の危険に瀕している情勢をインターネットやテレビのニュースで目にする度、胸が痛みます。どうか平和が再び母国に戻ることを一緒に祈ってください」
在日ウクライナ正教会は、次回の聖体礼儀を4月6日(日)午後1時から聖オルバン教会で、ウクライナ語と英語で行うという。詳しくは同教会のウェブサイトで。