【CJC=東京】教皇フランシスコは3月27日、米国のバラク・オバマ大統領をバチカン(ローマ教皇庁)宮殿に迎え会見した。
教皇フランシスコとオバマ大統領の出会いは今回が初めて。同大統領のバチカン訪問は2009年7月のベネディクト16世との会見以来、2度目。約50分にわたった会談では、国際情勢について意見が交換され、特に紛争地域での人権と国際法の尊重、双方の話し合いによる問題解決の必要が強調された。
バチカン放送(日本語電子版)によると、バチカンと米国の関係、教会と国家の協力の観点からは、宗教の自由、命の権利、良心的拒否の権利がテーマとなったほか、移民法改革についても言及された。最後に、世界における人身売買の根絶を共に目指すための取り組みが確認された。
会談後、オバマ大統領はジョン・ケリー国務長官ら随行員を教皇に紹介した。ケリー国務長官は、今年1月にバチカンを訪れ、教皇庁国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿(当時、大司教)とシリアをはじめとする中東問題などについて話し合っている。
贈り物の交換で、大統領はホワイトハウスで栽培している野菜と草花の種を詰め合わせた皮張りの箱を教皇に贈った。この箱には米国のカトリック教会として一番古いバルティモアの大聖堂に使われていた板が用いられている。一方、教皇は、平和の天使が浮き彫りにされた記念のメダルと、自身の著書『使徒的勧告=エバンジェリ・ガウディウム』を手渡した。
大統領は、会見の最後に、自分と家族のために祈って欲しいと教皇に願った。
大統領は教皇との会見後、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿や外務局長ドミニク・マンベルティ大司教とも会談した。