キリスト教精神に基づき世界の子どもを支援する国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(WVJ)は7月25日から27日にかけ、小学生と保護者を対象にした「サマースクール」を開催した。オンライン1回、対面2回の計3回の開催で、延べ274組602人の親子が参加。発展途上国の子どもたちが直面する水や衛生などの課題について学び、各自が実際にできる行動について考えた。
WVJは、日本の子どもたちが世界の子どもたちを取り巻く課題を知り、自分にできることを考え、行動する「グローバルキッズ」になることを願い、2009年から毎年夏にサマースクールを開催している。
新型コロナウイルスの影響で4年ぶりとなった対面イベントは、26日に東京都中野区で、27日に同文京区で開催。参加者は、発展途上国の子どもたちが実際に使っているタンクなどを使って、水くみの大変さを体験した。また、西アフリカのニジェールでは、小さな少女が、18キロにもなる水の入ったバケツを持って6キロも歩かなければならないことなどを、写真紙芝居を通じて学んだ。
25日に開催したオンラインイベントでは、アフリカ旅行を疑似体験。小学生の参加者からは、野生のシマウマとの遭遇や、2時間半かかる通学路、「ウジ」と呼ばれるおかゆの給食などに、驚きの声が寄せられた。また、現地の家には電気やガス、水道はもちろん、トイレさえないことに、大きな反響があったという。
「グローバルキッズ」への呼びかけでは、以前サマースクールに参加した小学3年生(当時)の事例を紹介。大人に頼らず寄付をするため、アクセサリーを作って試行錯誤しながら販売し、寄付の振り込み手続きも自分自身でしたという。WVJは、「アイデアを生み出し、カタチにするために必要なことを考え、行動する姿はまさにグローバルキッズそのもの」としている。
この他、対面イベントには、中高生のボランティア8人が参加。体験活動のサポートや受付、案内係を担った。また、サマースクールで学んだことを夏休みの自由研究に活用できるようにした資料も用意。WVJは、今後もイベントや講師派遣、教材開発などを通して、次世代を担う子どもたちが「グローバルキッズ」になれるよう機会を提供していくとしている。