国際キリスト教迫害監視団体「オープンドアーズ」(英語)によると、コンゴ民主共和国(旧ザイール)でキリスト教徒が相次いで襲撃され、少なくとも80人が殺害された。
襲撃は同国東部にある北キブ州の村々で、4日から8日にかけて発生した。7日だけでも50人余りのキリスト教徒が殺害され、複数の家屋が焼き払われた。
オープンドアーズによると、襲撃は過激派組織「イスラム国」(IS)に関係する武力勢力「民主同盟軍」(ADF)の犯行とされており、行方不明になっている人もいる。現地のキリスト教徒は、世界中のキリスト教徒に祈りを求めている。
「とにかく祈りです。祈るしかありません」。北キブ州に隣接するイトゥリ州の州都ブニアに住むカンバレ・アリストテ牧師は、オープンドアーズにそう話した。
「私たちは、ADFの目的が全ての人をイスラム教に改宗させることだと認識しています。また、今回の迫害は相当のレベルだと考えています。全てのキリスト教徒が、私たちのためにとりなし続けてくださるようお願いします」
アリストテ牧師はまた、5月15日に農場に行ったまま行方不明になっているパルク・カタヒインドワ・クロード牧師と妻のカトゥング・ビャハサ・エスターさんのために祈るよう求めた。
「神が牧師夫妻に平安をもたらしてくださるよう、心を合わせて祈りましょう。私たちの祈りは、神が牧師夫妻を無事に戻してくださり、主の働きを続けさせてくださることです」
「繰り返しますが、私たちの願いは、世界中の全てのキリスト教徒が私たちと共に手を取り合って祈ることです。私たちのコミュニティーに平和が戻りますように。神の僕(クロード牧師夫妻)が自由にされ、私たちと共にいるのを見て、喜ぶことができるように祈りましょう」
オープンドアーズで、アフリカのサハラ砂漠以南の広報を担当するジョー・ニューハウス氏は、「恐ろしいほど」の数のキリスト教コミュニティーがADFに襲撃されていると述べた。
「キリスト教徒は避難を余儀なくされ、被害を受けた村の幾つかの教会は、最近の襲撃のために閉鎖されました」
「このとめどない襲撃は、キリスト教徒の農民たちが収穫の準備をしている時期を襲いました。この影響で多くの家庭が家族を養う手段を失い、想定外の移住のために家計が圧迫されています。彼らは見知らぬ土地へ移動することを余儀なくされています」
「コンゴ民主共和国政府が誠実さと透明性をもって被害を受けた全てのコミュニティーを保護し、避難民がこのような状況下で必要な支援を受けられるよう、国際社会が全力を尽くすことを私たちは求めます」