南アフリカ最大とされる毎年恒例のイースター集会に向かうバスが、その途上で谷底に転落する事故に遭い、45人が犠牲となった。この惨事を受け、アフリカ全土の政治指導者らが、祈りと哀悼の意を表している。
シリル・ラマポーザ大統領は3月28日、声明(英語)を発表し、隣国ボツワナから南アフリカ北部リンポポ州モリアに向かうバスが同日、同州モコパネ近くの国道518号線を走行中に事故を起こし、45人が命を落としたと述べた。
南アフリカ運輸省は声明(英語)で、バスには運転手と乗客合わせて46人が乗っていたが、1人を除いて全員が命を落としたとし、事故について次のように発表した。
「運転手がコントロールを失い、橋の上の障壁に衝突したため、バスは橋を越えて(谷底の)地面に激突し、そこで炎上したものとみられます」
シンディシウェ・チクンガ運輸相は、「この悲劇的なバス事故によって影響を受けたご家族に、心から哀悼の意を表します。この困難な時に、私たちの思いと祈りは皆さんと共にあります」と弔意を表した。
リンポポ州交通地域安全局も声明(英語)を発表し、事故の衝撃について詳しく説明。唯一の生存者は、8歳の少女1人であることを明らかにした。「ある遺体は見分けがつかないほど焼け、またある遺体はがれきの中に閉じ込められ、またある遺体は現場に散乱していました」。声明によると、バスは炎上する前、橋から約50メートル下に落下したという。
乗客らが向かっていたイースター集会は、「イースターの期間における南アフリカ最大のキリスト教集会」とされる。この集会は毎年、アフリカ南部で多くの信者を抱える「シオン・キリスト教会」(ZCC)の本部である「シオン・シティー・モリア」で開催されており、モリアには300万人から500万人が訪れるという。
ボツワナのモクウィツィ・マシシ大統領が党首を務めるボツワナ民主党は声明(英語)で、「悲痛なバス事故の影響を受けた(シオン・キリスト教会の)会員とその家族に深い哀悼の意を表します」と述べた。
南アフリカ警察は翌29日、バスの乗客全員がボツワナ国民であることを確認した。また、29日時点で34人の遺体が発見されたが、身元が確認できたのは9人だけだったとした。事故から生還した8歳の少女は重傷で、病院で治療を受けている。
リンポポ州のスタンレー・マサバサ知事は声明(英語)で、「今後このような悲惨な事故が起きないよう、安全と責任ある運転の実行を優先しましょう」と呼びかけ、同州の道路は「悲劇や喪失の場ではなく、喜びとつながりの道であるべきです」と述べた。
「私の思いと祈りは、想像を絶する損失と悲しみを乗り越えているボツワナと南アフリカ両国の犠牲者の家族と愛する人たちと共にあります。この悲劇に見舞われた全ての人々に深い哀悼と心からのお悔やみを申し上げます。彼らがこの困難な時に、強さと慰めと安らぎを見いだすことができますように」