『こころの解放』の著書で知られるカナダのクリスチャン精神衛生医師グラント・マレン氏を招き、うつ病などの心の病について学ぶセミナーが11と12の両日、東京都内で開かれた。最初のセッションでマレン氏は、心の健康を害する不健全な恐れについて、人を構成する身体・人格・霊という3つの領域ごとに解説。イザヤ書12章2節「見よ。神は私の救い。私は信頼して恐れることはない」を引用し、「信頼と恐れは反対語。恐れと不安を軽減させたければ、信頼を高める必要がある。主を信頼することこそが、恐れに対する鍵となる」と話した。
マレン氏の来日は、昨年に続き3回目。セミナーは、キリスト精神に基づき人道支援活動や心のケア活動を行う国際NGO「オペレーション・ブレッシング・ジャパン」(OBJ)が、心のケア活動の一環として開催している。今年は東京を含め、沖縄、大阪、名古屋など、計6カ所を巡回している。
マレン氏は、不健全な恐れが身体の領域では不安障害になって現れると説明。『こころの解放』にある自己診断チェックリストで不安障害の疑いがあれば、医学的な療法で対処できるとした上で、「聖書の言葉通りに自分の思いをコントロールできなくても、決して罪悪感や恥を感じる必要はありません」と話した。
霊の領域では、目に見えない悪魔が人の思いに働きかけ、不安や恐れを生じさせることができるとし、その対処法について説明した。まずは、恐れの思いが頭に浮かんだら、その思いに注目し、どこから来た思いかを分析する。頭の中にある思いだからといって、全て自分の思いとは限らないからだ。「不安な思いは、あなたが同意しない限り、あなたの不安とはならない」とマレン氏。聖書の言葉と照らし合わせ、それが悪魔のわなかどうかを判別することで、悪魔の攻撃から守られると語った。
恐れは、霊的な成長も妨げてしまう。「霊的な成長の鍵は、信頼にある。どれだけ神様があなたを愛しているかを知っていれば、成長を恐れる必要はなくなる」と話した。
最後に、ヨハネの手紙第一4章18節「愛には恐れがありません。全き愛は恐れを締め出します」を引用し、「イエス様が歩んでいたその全き愛の中を、私たちも歩むことができる。イエス様が心配から自由になっていたように、私たちも心配から自由になることができる」と語った。その上で、「恐れに対する解決法は、信頼です。イエス様はあなたの抱いていた全ての痛々しい記憶を、ご自身の元に持ってきてほしいと願っておられます。このことを、今日始めたいですか」と呼びかけた。
セミナーの模様は、動画で視聴することができる。視聴の申し込みは専用フォーム(1日目、2日目)から。動画はセッション5の冒頭が5分ほど切れているので了承してほしいという。また、休憩などの箇所もあり、適宜早送り機能を使ってほしいとしている。