福岡カトリック神学院(福岡市城南区)が2023年度で閉校し、東京カトリック神学院(東京都練馬区)が24年度から「日本カトリック神学院」と改称することになった。
長崎大司教区の「カトリック教報」(24年4月号)によると、福岡カトリック神学院では2月23日、閉校式と感謝ミサ、祝賀会が長崎教会管区主催で行われ、約130人が参加。長崎教会管区の5教区(長崎、福岡、大分、鹿児島、那覇)の司教5人のほか、福岡カトリック神学院を運営していたサン・スピルス司祭会(聖スルピス会)のハイメ・モラ総長・カナダ管区長代理や、東京カトリック神学院の稲川圭三院長、同窓の司教や司祭らが出席した。
福岡カトリック神学院は1948年、戦後の求道者増加に伴い司祭養成が急務となり、「福岡サン・スピルス大神学院」として、福岡市内にあった聖母訪問会の建物を譲り受けて開校。51年、現在地に新校舎が完成し移転した。戦前から神学生の指導に当たっていた聖スピルス会カナダ管区が養成を担い、開校以来70年余りの間に、約800人の神学生が学び、約300人が司祭に、14人が司教に叙階された。
2009年から10年間は東京カトリック神学院と統合し、「日本カトリック神学院」の福岡キャンパスとなっていたが、19年には再び独立した「福岡カトリック神学院」に。長崎教会管区の5教区による諸教区立神学校として、司祭養成を行っていた(関連記事:日本カトリック神学院、東京と福岡の2つの諸教区立神学校に移行へ)。
鹿児島教区の「鹿児島カトリック教区報」(24年4月号)によると、「神学生数の減少により、共同体としての養成が困難になった」ため、長崎教会管区の司教団が閉校を決めた。
東京カトリック神学院の改称により、「日本カトリック神学院」が再設立されることになるが、福岡カトリック神学院は閉校となるため、かつてのような東京・福岡の2つのキャンパス体制ではなく、東京のキャンパスのみとなる。
カトリック中央協議会によると、ローマ教皇庁福音宣教省も今月7日には、福岡カトリック神学院の閉校と、東京カトリック神学院の日本カトリック神学院への改称を発表した。