日本のカトリック教会唯一の機関紙である週刊紙「カトリック新聞」が、約1年後の2025年3月30日付号(4761号)で休刊することになった。休刊後はインターネット配信に転換し、紙媒体は広報的な役割を担うものとして月刊無料化し、各小教区や修道院、教会関係施設に配布するという。
3月3日号(4709号)の紙面上に掲載された発表によると、近年、定期購読者数が減少し、経営的に厳しい状況が続いていた。また、インターネットの普及とそれに伴う近年の報道環境の変化を受け、日本のカトリック教会の情報発信の在り方を巡って、数年前から検討が行われてきたという。その結果、現在「新聞事業部(カトリック新聞社)」「広報課」「出版部」と独立しているカトリック中央協議会の情報発信部門を統合することを決定。それに伴い、同紙の休刊が決まった。
ネット配信、月刊無料化した紙媒体それぞれの編集方針などは今後の検討になるが、ネット配信は「詳細で速報的なニュース」、紙媒体は「教会全体の流れ」を伝える形で棲み分けを図ることになるという。
休刊を発表した日本カトリック司教協議会の菊地功会長(東京教区大司教)は、「これまで愛読し支えてくださった多くの皆様のご期待を裏切る形となり、大変申し訳ありません。日本の教会としての情報発信は、これまで以上に細やかに取り組んで参ります。どうか皆様のご理解をお願い申し上げます」としている。
カトリック新聞は1923年、「公教青年時報」として創刊。その後「カトリックタイムス」「日本カトリック新聞」、そして現在の「カトリック新聞」と改題しながら、一時休刊した時期があったものの発行を続け、昨年創刊100周年を迎えた。
一方、ネット配信は2013年に創刊90周年を記念してニュースサイト「カトリック新聞オンライン」を開設して既に一度試みていたが、その際は4年余りで休止状態となり、18年に閉鎖していた。