米国のドナルド・トランプ前大統領(77)が「公認」する唯一の聖書だという「God Bless The USA Bible」が発売された。価格は1冊59・99ドル(約9千円)。1611年に初版が刊行された英訳聖書の欽定訳(KJV)が用いられている。
トランプ氏の選挙集会で流されるヒット曲「God Bless The USA」を歌うカントリー歌手、リー・グリーンウッド氏とのコラボ商品。聖書を販売する公式サイト(英語)によると、聖書本文以外に、グリーンウッド氏直筆による同曲の歌詞や米国憲法、権利章典(米国憲法修正1~10条)、独立宣言、米国の公式行事などで暗唱される「忠誠の誓い」が盛り込まれている。大判サイズで、表紙には星条旗が型押しされている。
トランプ氏は26日、自身のSNS「トゥルースソーシャル」に、「God Bless The USA Bible」を宣伝する3分15秒の動画(英語)を投稿。「宗教とキリスト教が、この国から失われている最大のものだ」とし、「われわれは神を愛しており、神を支持するあらゆるものを守らなければならない」「われわれは、米国を再び祈る国にしなければならない」などと訴え、購入を促している。
「God Bless The USA Bible」は、一般の書店では販売されず、公式サイトのみで購入できる。注文後、発送まで4~6週間かかるとしている。
「God Bless The USA Bible」の公式サイトは、政治とは関係なく、トランプ氏や、トランプ氏の一族が経営するトランプ・オーガニゼーション、トランプ氏が所有するCICベンチャーズ社とは関係ないとしている。一方、トランプ氏の名前や似顔絵、写真は、CICベンチャーズ社との有償ライセンス契約に基づき使用しているとしており、ライセンス料がトランプ氏に入る仕組みとみられる。
複数の訴訟を抱えるトランプ氏は、保証金や弁護士費用のために巨額の資金が必要とされている。これまでにも、逮捕時に撮影された顔写真(マグショット)をプリントしたTシャツやマグカップ、トランプ氏の頭文字「T」と星条旗をあしらった1足399ドル(約6万円)の金色のスニーカーなどを販売している。