ドナルド・トランプ前米大統領の私邸でプライベートクラブでもある米フロリダ州の「マール・ア・ラーゴ」で2月23日、保守派LGBT団体「ログ・キャビン・リパブリカンズ」(LCR)のテネシー支部副会長兼財務担当のジョン・サリバン氏と、そのパートナーのダン・メドラ氏の結婚式が行われた。共和党の関連団体であるLCRがこの同性婚の写真を共有したことで、ネット上ではトランプ氏に対する反発が起こっている。
LCRのテネシー支部は25日、フェイスブック(英語)に次のように投稿した。
「ジョン・サリバン、ダン・メドラ両氏の忘れられない結婚式は、フロリダ州パームビーチのマール・ア・ラーゴで行われ、素晴らしい時間を過ごすことができた。愛と格式ある祝典は、永遠に大切にされるだろう。素晴らしい週末をありがとう」
この投稿には、伝統的に新郎新婦が夫婦として最初に踊るダンスや、ウェディングケーキをカットする2人の写真も含まれていた。
マール・ア・ラーゴのプライベートクラブのウェブサイト(英語)によると、マール・ア・ラーゴで結婚式やイベントを開催するには「現会員がスポンサーになる必要がある」という。
米保守系メディア「ブライトバート」(英語)によると、サリバン、メドラ両氏は当初、別の同性カップルであるビル・ホワイト、ブライアン・ユーア両氏に連絡を取り、マール・ア・ラーゴでの挙式が「可能な範囲内」かどうかを尋ねたという。その後、ホワイト、ユーア両氏はトランプ氏のチームに連絡し、チームは「喜んでカップルの要望を承認した」という。サリバン氏は次のように話している。
「展開は非常に速いものでした。このことは当初、私たちの計画の範囲にはありませんでしたが、私たちは明らかに、本当に、本当に、本当に興奮しており、マール・ア・ラーゴで挙式できたことに感謝しています」
トランプ氏は、サリバン、メドラ両氏と一緒に写真も撮り、トランプ氏おなじみの「親指を立てる」ポーズも取った。
Trump is so homophobic he hosted a gay wedding at his house
(ps I was there, it was fabulous) pic.twitter.com/H0wloeVkaN
— David Leatherwood (@brokebackUSA) March 3, 2024
今回の結婚式の詳細についてはこれ以上明らかにされていないが、マール・ア・ラーゴではこれ以前にもLGBT推進派のイベントが開かれている。
米政治専門メディア「ポリティコ」(英語)によると、2022年にはLCRの創立45周年を記念する祝賀会「スピリット・オブ・リンカーン」が開かれた。トランプ氏も個人的に出席し、「私たちは同性愛コミュニティーのために闘っており、懸命に闘い続けている」と話したという。
LCRが公開した20年の動画(英語)では、トランプ政権で国家情報長官代行を務めた同性愛者のリチャード・グレネル氏が、トランプ氏を「米国史上最も同性愛者に親和的な大統領」と呼んでいる。
国家情報長官は、米中央情報局(CIA)や米連邦捜査局(FBI)などの情報機関を総括する閣僚級のポストで、当時は長官が不在であったため、長官代行が事実上のトップだった。トランプ氏は20年にグレネル氏を国家情報長官代行に任命したが、同性愛者を閣僚級のポストに任命したのは、これが米国史上初のことだった。