米キリスト教団体「ジェレマイア・ジョンソン・ミニストリーズ」のジェレマイア・ジョンソン氏が7日、米国のドナルド・トランプ大統領が2期目も続投すると「誤って預言した」として謝罪した。その上で、ポピュリズム(大衆主義)の指導者に対する偶像崇拝を悔い改めるよう勧めた。
ジョンソン氏は7日、自身の団体の公式サイトに声明(英語)を掲載。「私は、ドナルド・トランプ氏が2期目の大統領職を勝ち取ると誤って預言したことを悔い改めたいと思います。私は、『十分に祈らなかったので、それ(2期目)が実現しなかった』と言って聖徒たちを非難することを拒否します。また『実際はドナルド・トランプ氏が勝っていたので私は正しかったが、それ(勝利)が彼から盗まれてしまった』と主張することもありません」と述べた。
「最初の言い訳は、自分が預言した内容に対する責任を軽減しようとするものだと思います。また2つ目の言い訳は、潜在的な高慢ばかりでなく、へりくだって自分の過ちを認めようとしない頑なさに満ちています」とジョンソン氏は続けた。
ジョンソン氏の謝罪に先立ち、米国では6日、トランプ氏の支持者らが連邦議会議事堂に乱入。自身の支持者らをあおったとして、トランプ氏に対する批判が拡大していた。この事件では、トランプ氏の支持者ら数百人がバリケードを破って議事堂に乱入。トランプ支持者の女性1人が警官に撃たれて死亡したほか、突発的な健康上の理由で3人が死亡。また負傷した警官1人も7日になって死亡が確認され、計5人が亡くなった(関連記事:トランプ支持者が米議会占拠 米キリスト教指導者らが相次ぎ批判、祈り呼び掛け)。
事件発生時、連邦議会の議員らは各州の選挙人の認証手続きを行っていたが、中断を余儀なくされた。しかし翌7日早朝には、マイク・ペンス副大統領と議員らが再び召集され、ジョー・バイデン次期大統領の勝利が確定した。
ジョンソン氏は、自身の預言が誤っていたことだけではなく、誤った預言を語ったことで、神の声に対する不信感も引き起こしてしまった恐れがあるとして謝罪した。
「私は間違っていました。深くお詫びするとともに、皆さんの赦(ゆる)しを乞います。私は信仰者である皆さんに対し、神の声や、神が今もご自分の民に語られるということを潜在的に疑わせてしまいました。特にそのことを謝罪したいと思います。人間にすぎない私は、神が言われたことを聞き違えてしまいました。しかし、ご安心ください。神ご自身は決してうそつきではありません。また、書かれた神の言葉(聖書)は常にクリスチャン生活の基盤であるべきですし、クリスチャン生活の源泉であるべきです」
ジョンソン氏は、第2期トランプ政権にまつわる誤った預言は悔い改めたが、「妊娠中絶反対への支持、信教の自由やイスラエルに対する支持、伝統的な結婚に対する支持については決して悔い改めません」と宣言した。
「もし彼(トランプ氏)が高慢を悔い改めていたら、そして、キリスト教界が彼を祭り上げていなかったら、トランプ政権の次の4年間、これらの問題に関してキリスト教界ははるかに良好な状態にあったと思います。しかし、そうはなりませんでした」
ジョンソン氏は、トランプ氏の敗北を「神の御心」として受け入れたと述べた上で、人々に謙虚になるよう勧めた。
「米国の教会は、かつてないほどのへりくだりが求められており、またこれからも求められます。主による矯正と裁きに教会がどう対処するか、その選択が今後数年間で多くの事柄に影響を及ぼすことになるでしょう」
「私は、米国の正義と真実を支持し続けるよう、レムナント(残りの者=真の信仰者)たちに勧めます。私たちは、かつてないほどに宣教と弟子づくりに力を注がなければなりません。『刈り入れまで、麦と毒麦を育つままにしておきなさい』というイエスの言葉を思い出してください。私は今日、2021年以降をイエス・キリストの証しにささげることにします」