投票日から一夜明けた4日も開票が続き、大接戦となっている米大統領選。郵便投票の影響もあり、大勢が判明するまでまだ時間がかかると伝えられる中、米メディア各社は出口調査の中間結果を発表した。それによると、前回2016年の選挙でドナルド・トランプ氏が80%の支持を獲得した白人福音派は今回、76%の支持にとどまり前回に比べ4ポイント減少した。
ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、CNN(いずれも英語)の米メディア3社は各社のホームページで、それぞれが実施した出口調査の中間結果を発表。いずれも白人福音派(全投票者の27%)に該当する項目があり、3社とも共和党のトランプ氏支持が76%で、民主党のジョー・バイデン氏支持が23%という結果になった。
トランプ氏は、前回の選挙では白人福音派から80%という強力な支持を獲得。これは、元大統領のジョージ・ブッシュ、元大統領候補者のジョン・マケイン、ミット・ロムニーの各氏(いずれも共和党)を上回る数字だった。しかし今回は、それから4ポイント落とす形となった。一方、民主党候補だったヒラリー・クリントン氏は前回、白人福音派からは16%の支持しか集められなかったが、バイデン氏はそれから7ポイントも支持を広げた。
ワシントン・ポストは、白人福音派以外の宗教関係の指標も掲載している。それと2016年の出口調査(英語)を比較すると、カトリック(同25%)は、前回はトランプ50%、クリントン46%だったが、今回はトランプ47%、バイデン51%となり、支持候補が共和党から民主党に逆転する形となった。
プロテスタント・その他のクリスチャン(同42%)は、前回はトランプ56%、クリントン39%で、今回はトランプ支持が62%とさらに伸び、バイデン支持は37%に減った。この結果から、トランプ氏の主要支持層とされてきた白人福音派ではトランプ氏の支持者が減った一方、プロテスタント・その他のクリスチャン全体としては支持者が増えたことになる。
この他一般の主要指標では、性別は男性がトランプ支持優勢、女性がバイデン(クリントン)支持優勢という構図で変わらず、人種も白人がトランプ支持優勢、黒人、ヒスパニック系、アジア系はそれぞれバイデン(クリントン)支持優勢で変化はなかった。
一方、支持政党別では、共和、民主の各政党支持者は9割以上が支持政党の候補者に投票したが、無党派層は、前回はトランプ46%、クリントン42%だったのが、今回はトランプ40%、バイデン54%と逆転した。
年代別では、18~29歳、30~44歳の若い層は前回同様、民主党支持が多かったが、45~64歳、65歳以上の層は、前回は共和党支持が優勢だったが、今回は拮抗(きっこう)する形となった。
投票する候補者をいつ決めたかを尋ねる質問では、92%が1週間以上前に決めていたが、この1週間で決めたという5%の人の中ではトランプ支持が55%で、バイデン支持の40%を上回った。
最も重視する課題を尋ねる質問では、経済が35%で最も多く、経済を重視する人の82%はトランプ氏を支持した。次に重視されたのは人種問題(20%)と新型コロナウイルス対策(17%)で、人種問題を重視する人の91%、新型コロナウイルス対策を重視する人の82%はバイデン氏を支持した。
なお、今回発表されたのはあくまでも中間結果で、今後情報が更新されるにつれ数値は変更・修正される可能性がある。