社会福祉法人聖隷福祉事業団(静岡県浜松市)が運営する有料老人ホーム「エデンの園」が、5月1日で開園50周年を迎える。同日には、介護付き有料老人ホームとしては国内最大規模の「浜名湖エデンの園」(同市)で、記念式典と特別講演会を開催する。
エデンの園は、同事業団の創始者・長谷川保(たもつ)の構想で始まった有料老人ホーム。日本では高齢化社会の到来を見据え、1963年に老人福祉法が公布され、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)が全国に登場することになるが、70年代になると、老人の孤独死が大きな社会問題となった。
そうした状況の中、同事業団は、高齢者にとって楽しく生きがいのある安心した生活の場が必要だと考え、73年に聖隷三方原病院の隣接地に、最初のエデンの園となる浜名湖エデンの園を開園。その後、エデンの園は各地に広がり、現在は5県7市に計8施設がある。
記念式典では、日本基督教団遠州栄光教会(同市)の星野健牧師による記念礼拝が行われ、同事業団高齢者公益事業部の平川健二部長があいさつ。特別講演会では、同事業団の青木善治理事長が「50年の歩みに感謝して~聖隷のこころと三方原~」と題して話す予定。
同事業団は1930年、結核を患った青年のために、長谷川をはじめとする数人のクリスチャン青年らが、現在の浜松市に病舎を建てたことに始まる。病舎は後にベテルホームと名付けられ、賀川豊彦が主宰したイエス友の会なども援助した。キリスト教精神に基づく「隣人愛」を基本理念に掲げ、3月現在、施設・事業数は212施設・517事業、職員数は約1万6500人、サービス活動収益は約1300億円に上る。