社会福祉法人聖隷福祉事業団(静岡県浜松市)は1日、山本敏博理事長の後任として、理事・常務執行役員の青木善治(よしはる)氏が新理事長に就任することが決定したと発表した。山本氏が3月末で退任するのに伴うもので、就任は4月1日付。山本氏は退任後、特別顧問となる。
青木氏は1957年、浜松市生まれ。80年法政大学経済学部卒業後、聖隷福祉事業団の聖隷三方原病院に入職。2001年同事業団法人本部総務部長、05年同病院事務長などを歴任し、08年から現職。
財務担当として、キャッシュフロー経営の推進や新財務システムの導入など、社会福祉法人経営の近代化に努めてきた。山本氏の後任として中期事業計画(21~25年)の実現を担い、地域連携体制の強化やデジタルトランスフォーメーション(DX)、働き方改革に挑戦し、より質の高い社会福祉事業の展開と経営のさらなる改善に取り組むとしている。
聖隷福祉事業団は1930年、結核を患った青年のために、長谷川保(たもつ)(1903~94)をはじめとする数人のクリスチャン青年らが、現在の浜松市に病舎を建てたことに始まる。病舎は後にベテルホームと名付けられ、賀川豊彦が主宰したイエス友の会なども援助した。一方で、結核を恐れた地元住民からの強い反対運動にも遭った。キリスト教精神に基づく「隣人愛」を基本理念に掲げており、現在、施設・事業数は162施設・353事業に上り、職員数は約1万6千人、サービス活動収益は約1195億円に上る。