英国国教会の主教らが、同性婚は認めないものの、同性カップルを祝福することは認める考えを示したことを受け、英国福音同盟(EA)の代表が公開書簡を発表した。公開書簡では、主教らの提案は支持できないとし、主教らが結婚に関するキリスト教の伝統的な教えを再確認するよう祈っていると述べた。
英国国教会の主教らは1月18日、同教会内における同性カップルの結婚は認めない一方、同性カップルを祝福する儀式を行うことは認める提案を発表した。同性カップルを祝福する儀式で用いる「愛と信仰の祈り」の草案も発表され、その中には、同性カップルのための感謝と献身、神の祝福を求める祈りが含まれている。これらは、2月6日から9日にかけて、ロンドンで開かれる同教会の総会で議論される予定だ(関連記事:英国国教会の主教ら、同性カップルの「祝福」認める方針 同性婚は認めず)。
これを受け、英国福音同盟のガビン・カルバー最高責任者(CEO)は1月27日、英プレミア・クリスチャニティー誌で公開書簡(英語)を発表。英国国教会からは、自身も信仰上の大きな影響を受けてきたと述べつつも、主教らが発表した提案については、「悲しみ、痛み、そして幾らかのショックを受けました」と語った。
カルバー氏は、同教会の福音派組織「英国国教会福音主義評議会」(CEEC)と、同教会の主席聖職者であるカンタベリー大主教の公邸「ランベス宮殿」の代表者らと話し合いの時を持ち、その後、今回の公開書簡を発表したという。
「(英国国教会がこれまで取り組んできた)傾聴と議論の長いプロセスの後、結婚の教義を変更しないと主張しながら、(結婚などの)関係や性倫理に関する教会の教えと実践を劇的に妥協させたかに見える提案が、総会に持ち込まれるのです」
「結婚は、一人の男性と一人の女性の間のものであり、それは私たちの共同体の一部です。性的結合のための唯一の神聖な誓約された関係です。それなのに、主教たちの提案は、その正統的なキリスト教の教え、実践、教義から大きく逸脱しているように思えます」
カルバー氏は、CEEFとランベス宮殿の代表者らと話し合いを持ったことで、「さまざまな見解や意見があり、前進するためには困難を伴うことがはっきりと分かりました」と言う。「これは簡単な話ではありません。認識して悔い改めるべき、真の痛みと傷があります」
しかし、主教らの提案は「議論の全ての面において全く不適切であることもまた、あまりにも明らかです」と述べ、「提案されている案は、支持できないものです」とした。
その上で、来週から始まる同教会の総会のために祈るよう求め、次のように語った。
「私は特に、英国国教会が、結婚を一人の男性と一人の女性の間の忠実で献身的な関係であるとする長年の約束を再確認し、私たち(福音派)全てのために、キリストの弟子と性倫理に関する教えを弱めないように、関係者の勇気と信念のために祈っています」
「私たちの国は、これまで以上に福音を必要としています。私たちが何のためにここにいるのか、見失わないようにしましょう。私たちは神学的に信じていることに忠実であり、宣教においてそれを心から選ぶことができるのです」