全国のキリスト教書店の店員が選ぶ「キリスト教書店大賞2022」の結果が1日、公式フェイスブックで発表され、奥田知志(ともし)牧師(日本バプテスト連盟東八幡キリスト教会)の『ユダよ、帰れ』(新教出版社)が大賞に決まった。
『ユダよ、帰れ』は、奥田牧師初の説教集。長年にわたりホームレス支援に携わってきた奥田牧師が、聖書の深い読みと実践に裏付けられた洞察により、コロナ禍で一層鮮明となった社会の分断と孤立、弱者排除の現実に対して、福音を大胆に対置させている。
奥田牧師は受賞の言葉で、「恐縮です。初めての説教集でした。でも、説教とは何か分からないままです。社会や人の現実に向き合う中で、ただただ聖書の言葉にしがみついてきました。聖書は面白い。すべての人に感謝。すべての人に平和を」と述べている。
同賞は、低迷するキリスト教出版業界を少しでも活性化させようと、2011年に始まった。主催のキリスト教出版販売協会に加盟する全国のキリスト教書店の店員が、前年に出版されたキリスト教書の中から、1次選考でノミネート作品10点を選び、2次選考で大賞を決めている。
21年は、片柳弘史神父(カトリック宇部教会主任司祭、イエズス会)の『やさしさの贈り物』(教文館)が、20年はヘンリ・ナウエンが最晩年に著した『今日のパン、明日の糧』(日本キリスト教団出版局)が大賞に選ばれている。
「キリスト教書店大賞2022」の2~10位は以下の通り。
- 2位:『三浦綾子 祈りのことば』 (三浦綾子・ことば、おちあいまちこ・写真)
- 3位:『子ども、本、祈り』(斉藤惇夫著)
- 4位:『ひとりで死なせはしない』(関野和寛著)
- 5位:『目はかすまず気力は失せず』(関田寛雄著)
- 6位:『新約聖書おもしろクイズドリル』(辻学監修)
- 7位:『ここが変わった!「聖書協会共同訳」新約編』(浅野淳博、伊東寿泰他著)
- 8位:『ひと時の黙想 全き心を求めて』(ストーミー・オマーティアン著)
- 9位:『旧約聖書おもしろクイズドリル』(大島力監修)
- 10位:『天国なんてどこにもないよ』(関野和寛著)