コロナ禍で不安を抱えたまま孤立している被災地の独居高齢者やひとり親世帯にクリスマスギフトを届けるキリスト教系NGOに、受け取った人々から喜びの声が届いている。
緊急災害支援や復興に向けたコミュニティー支援に取り組む仙台市のキリスト教系NGO「オペレーション・ブレッシング・ジャパン」が1日から始めたプロジェクト。クリスマスギフトには年代や状況により、宮城県産のお米か、絵本などの子ども用プレゼントを用意した。オペレーション・ブレッシング・ジャパンがコミュニティー支援を行う福島県南相馬市の施設で子どもたちが制作した手書きのメッセージカードを添えて、見守りも兼ねた各地の支援スタッフやボランティアが一軒一軒を訪問して手渡ししている。
宮城県丸森町の仮設住宅に一人で暮らす冨田さん(80代、仮名)は、この先の生活に不安を抱える住民の一人だ。2019年の台風19号による被災をきっかけに仮設住宅での生活が始まったが、コロナ禍で住民同士の交流の場が減ってしまった。近所の人と顔を合わせても話題が見つからず、一人で寂しさを募らせていたという。
そんな不安と孤独の中を懸命に生きる被災地の人々に向けてスタッフたちが用意したのが、今回のキャンペーンだ。これまでに丸森町をはじめ、7月に土石流災害のあった静岡県熱海市伊豆山地区や、原発事故からの復興が続く福島県東部を中心に実施。ギフトを受け取った人々からは、「宮城のお米は食べたことがないからとてもうれしい」「わざわざ自分のために届けに来てくれて、胸がいっぱいになった」といった喜びの声が寄せられている。
スタッフたちの願いは、クリスマスが単に家族でお祝いするイベントで終わるのではなく、苦しんでいる誰かのために思いを届ける時となり、そうしたムーブメントや文化が広がることだ。「クリスマスを家族で祝えない、祝う余裕もない、そんな孤独を抱えている高齢者、ひとり親世帯に一人でも多くクリスマスの希望の光が届きますように、祈りや寄付による皆様のご支援をよろしくお願いします」と呼び掛けている。
寄付は1口千円から。3千円の寄付で1軒にクリスマスギフトを届けることができる。寄付の受付期間は12月25日まで。問い合わせや寄付の申し込みは、オペレーション・ブレッシング・ジャパンのホームページへ。