静岡県熱海市で発生した大規模な土石流の被災者支援のため、キリスト教国際NGO「オペレーション・ブレッシング・ジャパン」(OBJ、宮城県仙台市)が5日から現地入りし、被害状況の調査や支援物資の提供などの活動を行っている。
現地入りしたのはOBJのスタッフ2人で、1人は災害支援コーディネーターとして、現地のニーズ調査や行政・地域団体・協力団体との連絡調整、広報、支援活動の指揮を取り、もう1人は災害支援担当者として現場での活動をフォローしている。
現地入りしたスタッフの1人によると、消防や警察、自衛隊などによる行方不明者の捜索活動が継続して行われており、現在は報道関係者が立ち入ることができる範囲までしか入ることができないという。捜索活動が終わり次第、ボランティアセンターが開設され、ボランティアや支援物資の受け入れが本格的に始められるとみられている。
OBJは、被災者の中でも特に高齢者や障がい者など、災害時に孤立しがちな要配慮者の支援を行っている。ボランティアセンターが開設される前から要配慮者に接触しようと、障がい者施設3軒を訪問し、孤立している施設や利用者がいないかを調査した。訪問した福祉施設の職員からは、「孤立しがちな障がい者事業所に、こういう気遣いをもらえて本当にうれしい」と喜ばれたという。
持参した支援物資は、飲料水やお茶、衛生用品、アルコール、マスク、ビニール手袋、タオルなどで、高齢者施設や障がい者施設に届けた。一方、停電地域には現在人はおらず、車に数台積んで持ってきた発電機は使うことがなかったという。
OBJのスタッフによると、被害は土石流の流れた両脇に集中している。昨年の熊本豪雨で発生した球磨(くま)川の氾濫などに比べると、被災地域は比較的狭い範囲に限られているが、家が倒壊するなど被害の度合いは深刻だ。すでに被災地域の周囲では住民が片付けを始めており、現在ホテルなどに避難している被災者が戻れば、生活上のさまざまな必要が出てくるとみられている。
OBJは、すでにさまざまな支援団体が現地入りしていることを把握しているが、要配慮者に焦点を当てた活動はまだ見受けられないとし、今後も公的援助の届きにくい被災者を見つけ出し支援していく考えだ。
OBJの公式サイトには、緊急の寄付窓口を開設。フェイスブックやツイッターでは随時情報を発信しており、協力を呼び掛けている。