新型コロナウイルスの感染予防に役立ててもらおうと、キリスト教国際NGO「オペレーション・ブレッシング・ジャパン」(宮城県富谷市)が除菌効果の期待できる微酸性電解水(次亜塩素酸水)を生成し、全国の医療機関や福祉施設を対象に無料で配布する取り組みを行っている。4月19日からの約1カ月間で、すでに全国430カ所以上に配布し、お礼のメッセージが次々と届いている。
オペレーション・ブレッシングは米バージニア州に本部がある団体で、日本では東日本大震災の発生直後から東北で活動を開始。津波の被害を受けた地元の漁師たちに漁船を提供したり、地元の住民のために放課後児童クラブやゴスペル教室を開設したりするなど、被災者の暮らしに直結する支援事業に取り組んできた。
代表のドナルド・トムソンさんは、オペレーション・ブレッシングが以前、西アフリカのリベリアでエボラ出血熱の対策支援として次亜塩素酸水を生成していたことから、国内の専門業者を探し、高い殺菌力を持つと同時に人体に無害な次亜塩素酸水を短時間で生成する装置を用意。スタッフが手作業でボトルに詰め、マスクを添えて要請のあった全国の施設に届けている。
施設からはお礼のメッセージが次々と寄せられた。「近頃では電解次亜水やエタノールなどの消毒液がどこも不足していてなかなか手元に届かず、在庫も不足気味でしたので本当に助かりました」(愛知県・デイサービス事業所)。「マスクに始まり除菌液、アルコール、手袋などがどんどんなくなり、大変困っておりました。この度は本当にありがとうございます! この除菌水を通して利用者さんにも安心を分けて参ります」(大阪府・福祉事業所)。どのメッセージからも、感染を防ぐ資材が不足していく中で、切迫していた現場の状況が伝わってくる。
トムソンさんは、「予想はしていましたが、現場で働く皆さんがどれだけ困っていたかをあらためて知って驚いています。除菌水の生産能力は十分にありますので、より多くの寄付を頂ければもっと多くの施設に届けることができます。新型コロナウイルスから福祉と医療の現場を守るために、ぜひ支援してほしい」と話す。
寄付は、オペレーション・ブレッシング・ジャパンのホームページで受け付けている。