熊本弁訳と仙台弁訳のみことばが添えられたポストカードがこのほど発売された。表面に描かれているのは、クリスチャン画家・山田桂子さんの作品「アガペの果実」。裏面には、各方言で訳された新約聖書・ヨハネの福音書15章4節が記されている。売り上げの一部は、熊本地震と東日本大震災に見舞われた各被災地のキリスト教団体に寄付される。
作成のきっかけは、販売元となるグロリア・パブリケーションズの三浦真紀さんが、元受刑者の自立支援を行うNPO法人「オリーブの家」(熊本市)の青木康正理事長から、「熊本弁訳の聖書があったらいいね」と言われたことだった。聖書全巻を熊本弁に訳すのは難しくても、聖書の一節を熊本弁に訳しポストカードにするなら可能ではないかと考えた。構想を話したところ、山田さんが快諾。紆余曲折を経ながらも、約1年かけて、ヨハネの福音書15章4節からインスピレーションを得た「アガペの果実」が出来上がった。
初めは、熊本地震の復興支援を目的にした熊本弁訳のみの企画だったが、三浦さんが宮城県出身だったこともあり、祈りの中で東日本大震災の復興支援も示され、仙台弁訳も作成することに。熊本弁訳はオリーブの家のスタッフに翻訳を依頼し、仙台弁訳は三浦さん自らが下訳を作った後、地元のクリスチャンに確認してもらった。
わたしにとどまりなっせ。わたしもあたがたん中にとどまる。枝がぶどうん木にとどまっていなかれば、自分では実ばくびることがでけんのと同じごつ、あたがたもわたしにとどまっていなかれば、実ばくびることはできまっせん。(熊本弁訳)
おれさつながってさい。したらば、おれもあんだがださつながっから。枝がぶどうの木さつながってねげれば、自分だげでは実ぃ結ぶごどがでぎねぇように、あんだがだもおれさつながってねげれば、実ぃ結ぶごどがでぎねぇ。(仙台弁訳)
価格は1枚150円。熊本弁訳はオリーブの家に、仙台弁訳はNPO法人「FUKUSHIMAいのちの水」(福島県郡山市)に、売り上げの一部が寄付される。依頼があれば、別の方言訳のポストカードもオーダーメイド(最低100枚から)で作成するという。三浦さんは、「方言訳のみことばポストカードを通して、聖書の言葉がクリスチャンにもノンクリスチャンにもより身近に感じられ、また実際にその地域の人たちとのコミュニケーションの一助となれば幸いです」と話している。注文・問い合わせは、グロリア・パブリケーションズ(メール:[email protected]、電話:090・8008・6208)まで。
なお、スマイルブックス(熊本弁訳・仙台弁訳)とリーハイバレー・ジャパニーズ・ミニストリーズのネットショップ(仙台弁訳のみ)では、3枚セットで販売されており、オンラインでも購入できる。