長崎県南島原市は13日、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の1つである「原城跡」(同市)の本丸跡で、陥没や崩落が確認されたと発表した。11日から続く大雨の影響とみられ、当面の間、本丸跡を立ち入り禁止にするという。
毎日新聞によると、本丸跡の広場の地面が直径約5メートル、深さ約5メートルにわたって陥没。さらに海沿いにある高さ約30メートルの崖でも2カ所崩落が確認された。
原城跡は「島原・天草一揆」(1637~38年)を起こした天草四郎やキリシタン農民らが籠城し、主戦場となった場所。本丸跡には、長崎の「平和祈念像」制作者として知られる北村西望の天草四郎像や、西有家町(現・同市)から移された天草四郎の墓石がある。
潜伏キリシタン関連遺産では、キリシタンが潜伏し、独自に信仰を続ける方法を模索することを余儀なくされたきっかけを示す構成資産として位置付けられている。