ミャンマー東部カヤー州で6日、国軍がカトリック教会を再び砲撃した。死傷者は出ていないという。同州でカトリック教会が砲撃されるのはこれが3件目。この他、砲撃の約1週間前には、同州にあるカトリック教会の小神学校が治安部隊に襲撃され、ボランティアの青年1人が殺害された。
バチカン・ニュース(英語版)などによると、砲撃を受けたのは同州デモソにある「ダーヌガンカ平和の女王マリア教会」。教会内には戦闘を逃れた人々が避難していたが、砲撃を察知し、事前に親類の元やジャングルに逃れていたことで死傷者は出なかったという。しかし教会の建物は大きな被害を受けた。
国軍は教会などの宗教施設を攻撃の標的にはしないと約束していたが、この教会は交通量の多い通りに面した大型のものであったことから、今回の砲撃は意図的に行われたとみられているという。
同州では、州都ロイコーに近いカヤンタヤルの「聖心教会」が5月23日夜から24日未明にかけて砲撃を受け、4人が死亡、約8人が負傷した。また26日夜には、デモソにある「聖ヨゼフ教会」が砲撃を受けており、同州における教会を狙った砲撃は今回で3件目。カトリック系のアジア・ニュース(英語)によると、ミャンマー国内で教会が攻撃の標的にされるのはこの2週間でこれが6件目だという。
この他、アジア・ニュースの別の報道(英語)によると、ロイコーでは29日、避難民が逃れていたカトリック教会の小神学校に治安部隊が押し入り、建物内の部屋一つ一つを捜索。その際、ボランティアの青年1人が殺害された。青年は当時、抵抗するような姿勢は示しておらず、現地の人々は、治安部隊が青年を殺害する理由が見当たらないと話しているという。