今月9日に99歳で亡くなった英国のエジンバラ公フィリップ殿下が、2000年のクリスマス放送前に妻のエリザベス女王に対しキリスト教信仰についてもっと話すよう説得していたことが、英王室に近い教会指導者へのインタビューで明らかになった。
「フィリップ殿下は、確かに女王陛下にクリスマス放送で自身の信仰について話すよう勧めていました」。『神よ女王を守りたまえ(原題:God Save the Queen)』(英語)の著者であるイアン・ブラッドリー牧師(70)は、英プレミア・クリスチャン・ニュース(英語)のインタビューにそう語った。
ブラッドリー牧師は過ぎし日々を回想し、「それ以前(のクリスマス放送)は、まるで旅行記のように、ただ王室一家がどこに行ったかについて述べるだけでした」と語った。
スコットランド国教会ブリーマー・クラシー小教区の客員説教者として、エリザベス女王とフィリップ殿下に説教をしてきたブラッドリー牧師は次のように述べた。
「2000年の(クリスマス)放送で、女王は自身のキリスト教信仰とそれが自身に与えた影響について非常に感動的かつ力強く語り、視聴者から極めて好意的な反応を得ました。そして、そうするように女王を説得したのは、実にフィリップ殿下だったのです。メディアはこのことをもっと広く伝えるべきです」
ブラッドリー牧師はまた、フィリップ殿下が神学に興味を持っていたことを明かした。「殿下は説教の詳細をすべて書きとめていました。神学に非常に興味を持っておられ、聖書について素晴らしい知識を持っていました。昼食時には質問され、説教について尋ね、実に(説教者である)われわれを発奮させたものでした。彼の聖書に関する知識には驚かされました」
エリザベス女王は、90歳の誕生日を迎える前の2016年に出版した『仕える女王と彼女が仕える王』(英語)の中で、自身の人生においてイエス・キリストが占める中心的な役割について振り返っている。その序文では、「私はこれまでもまた今も、皆様と皆様の祈り、そして神の揺るぎない愛に心から感謝しています」「私は確かに、神の誠実さを目の当たりにしてきました」などと述べていた。
本書の共著者であるロンドン現代キリスト教研究所(LICC)のマーク・グリーン所長は当時、エリザベス女王は「キリストへの明確な依(よ)り頼み」を示していたと述べている。
「私がこの本を書いていることを友人やイエスを知らない家族、またユダヤ人の床屋などに話すと、彼らがいかに女王陛下の信仰について知りたいと思っているのかを知り、驚かされたものです」とグリーン氏は述べている。
「女王陛下は、素晴らしい性格の一貫性、隣人への関心、そしてキリストへの明確な依り頼みをもって、全成人期にわたりわれわれに仕えてこられました。彼女が書いたものを読み、彼女を知る人々と話をすればするほど、このことはより明確になります」