ローマ教皇フランシスコは、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師(1929~68)の記念日である18日、非暴力の平和的手段によって、すべての人々の間に調和と平等が訪れることを願ったキング牧師の夢は、現代社会においても重要性を持つものだとし、「私たち一人一人は、平和の職人となるよう召されている」と伝えた。
カトリック系のCNA通信(英語)によると、教皇はこの日、キング牧師の末娘で、米アトランタにある「キング・センター」の最高責任者(CEO)であるバーニス・A・キング牧師に宛ててメッセージを送り、次のように語った。
「共通善の実現を妨げる社会的不正義、分裂、紛争という課題にますます直面する今日の世界において、非暴力で平和的な手段によってなされる、すべての人々のための調和と平等というキング博士の夢は、常に時宜を得たままである」
教皇は「私たちが共通して持つ、全能の神の子としての尊厳という真理」によって人を見ることが不可欠だとし、「このビジョンを実践するために日々努力することによってのみ、私たちは正義と友愛の上に築かれた共同体を創造するために協働することができる」と語った。
教皇はまた、昨年10月に発表した回勅「フラテッリ・トゥッティ」(「兄弟である皆さん」の意)を引用。この回勅は、兄弟愛と社会的友愛を促す内容が書かれたもので、教皇は「私たち一人一人は、分裂ではなく一致することで、憎しみを抱くのではなくそれを断ち切ることで、また対話の道を開くことによって、平和の職人となるよう召されている」と伝えた。
バーニス牧師は2018年に2度、教皇と面会している。昨年6月にバチカン(教皇庁)公営の「バチカン・ニュース」のインタビューに応えた際には、教皇と父キング牧師の間に強い調和を感じると語っていた。
米国では、キング牧師の誕生日(1月15日)に近い1月第3月曜日が、キング牧師記念日として祝日に定められている。