ローマ教皇フランシスコは8日、福者ピオ9世教皇が1870年12月8日に聖ヨセフを「カトリック教会の保護者」と宣言してから150年を迎えるに当たり、8日から来年12月8日までを「ヨセフ年」として祝うことを宣言し、使徒的書簡「パトリス・コルデ(父親の心で)」を発表した。
カトリック中央協議会の発表によると、教皇は使徒的書簡で聖ヨセフについて、「とりなしの人、苦難の時に支え、導いてくれる人」だと言及。イエスの養父としての優しさやあふれる愛、神からの召命への従順さ、父親としてあらゆることを受容し、創造性をもって行動した勇気、質素な労働者としての姿、目立つことがなかった生き方に触れた。
また、新型コロナウイルスのパンデミックが続く中で聖ヨセフが示してくれているのは、日々の困難を耐え忍び、希望を示しているが決して目立つことのない「普通の人々」の大切さだと強調した。
使徒的書簡は、教皇が出す公文書の中で回勅、使徒的勧告に次ぐ重要な文書。教皇フランシスコの使徒的書簡では、教会法典の婚姻無効訴訟についての新たな条文を述べた「寛容な裁判官、主イエス」(2015年)、いつくしみの特別聖年の閉幕に当たり公布された「あわれみあるかたと、あわれな女」(16年)がある。